縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

誰も寝てはならぬ  オペラ映画「トゥーランドット」上映会

わかやま新報
とらふすクラシック・344
誰も寝てはならぬ
オペラ映画「トゥーランドット」上映会
        伏虎シネオペラの会代表 西川和樹

第5回を迎える伏虎シネオペラの会、上映会は、プッチーニ最後の作曲「トゥーランドット」を上映します。題名の「トゥーランドット」のアリア「誰も寝てはならぬ」が有名かもしれません。日本に於いて、お茶の間にこのアリアが絶え間なく流れたのは、2006年トリノ冬季五輪の時。フィギュアスケートで日本人初めて金メダルを獲得した荒川静香選手が「誰も寝てはならぬ」使用、その快挙を称え、繰り返し放映されるテレビから映し流れる<イナバウワー×誰も寝てはならぬ>は大きな話題になったと記憶しています。その後も、オペラ界はもちろん、フィギュアスケート界、CMなどでも耳にします。これほどまでに有名で代表的なアリア「誰も寝てはならぬ」が歌われる「トゥーランドット」とはどんな物語でなのか、少しご紹介させていただきます。

舞台は北京。絶世の美女・トゥーランドット姫に求婚をする男は3つの謎を解かなければならない・・・。もし解ける事が出来なければ・・・処刑される。トゥーランドット姫を愛することで自身の死が身近に迫る愛。この3つの謎に挑み、愛を貫くため自ら命をも差し出そうとする王子カラフとの間で繰り広げられる命を懸けた愛の物語が「トゥーランドット」その中で王子カラフが歌い上げるアリア「誰も寝てはならぬ」は、本能的で官能的でもある。でもやっぱり人間には<愛>がないとダメだよねという気持ちにする作品の中央に鎮座しているアリアです。

本作品、演出は現代中国を代表する映画監督・陳凱歌(チェン・カイコー)、収録はソフィア王妃芸術宮殿、オーケストラピットにはズービン・メータ、トゥーランドット姫にはウクライナ出身、マリア・グレギーナ、王子カラフにはイタリア出身、マルコ・ベルティなど錚々たる面々がスクリーンを彩ります。ご鑑賞いただき、就寝時に「誰もが心豊かに寝る」一日になればと願っています。日本語字幕付、和歌山城ホール、マチネでお待ちしております。明日です。

西川和樹
伏虎シネオペラの会代表。和歌山城ホールの建つ元伏虎中学校の卒業生。京都在住。
新しいホールに相応しいエンターテイメントをと、この4月から大画面での日本語字幕付の特別上映会を行なっている。