グッドモーニング!珈琲なう。
〜くろしお茶話〜
#珈琲 #ごとびき屋
今回のロケット応援、なんとか紀伊勝浦に宿を得てからは、翌日の朝のコーヒーは、新宮でと決めていたように思うふ。さて、当日つまり今朝のこと、ググってやって来たのが、このごとびき屋さん。熊野速玉大社の門前にあり、その店名と店構えから、以前から気になっていたが、初めて訪したのでした。
入口の扉を開けると、店の真ん中の大きなテーブルで、女将が、そろばんで伝票計算していて大いに驚かされた。現場でそろばんを使っているのは、もう何十年も見ていない気がする。「これでないとあかんの」と笑って応える。そんな女将とすぐ打ち解けた。
そうこうしているうちに、息子さんらしい若者が買い物から帰ってきて、コーヒーを淹れ出してくれた。それを機に、ロケットから喫茶店の話に、話題が転換したようだった。
この女将、和歌山市内にあった喫茶店をよく覚えていて、
「丸正の前にもあったでしょう」「おお、それレインボーや、隣がカメラ屋で」
「ウメ、知ってるかい」「おお、和歌山の駅前の」
「ぶらくり丁のちっと入ったとこ」「あっそれ、匠や」と。。。。
「なんでそんなに知ってる」と私もとうとう訊いてしまったら、
「青春時代や。私、箕島生まれで、国鉄に乗ってぶらくり丁にはよう遊びに行ったもん」
「おおそうなんや。ウチはレコード屋やったんやで」
「え、ほんま、イワキレコードかいな」
この一発解答には、涙が出そうな程嬉しかったのはいうまでもない。
往時の歌い手さんやら和歌山ブルースの歌碑などんどん話は弾み、ラジオの話題に突入した。このラジオは、当然、和歌山放送のことで、小田川アナウンサーの大ファンだったそうな。ラジオもレコードも商店街もみんな、女将の青春、いや、二個年長なだけのご同輩の青春は、語れば語るほど輝きを増していくようだ。。
珈琲のお供にと、買ってきたばかりのさんま寿司を一片出してくた。「えー、コーヒーに合うんかいな?」「あうで、なんでもコーヒーに合うで」、とはいうものの、まず、さんま寿司を口に入れた。「美味い!これどこで買ったん」と、まじオーム返しにきいた。どんな店が出てくるかと思ったら。衝撃の答え「スーパー・オークワよ」。。。地元の人が、いつも食するものは、本当に美味しいのだわ。
そういえば、昨夜の勝浦駅前の竹原さん名物まぐろ定食、30分も並んでいただきました。カウンターのほとんどみんなが食べている1500円。まぐろのボリューム半端ないし、ご飯も山盛りやし、待ってる間、注文するかどうかずっと悩んでいた。この量、このお値段で、納得できる以前に食べ切れる自信もあやふやだった。けど、注文しました。まぐろは期待どうりで一安心、続いて小鉢の一品を喰らったところ、久方ぶりに感動が走った。玉ねぎのスライスの中に潜んでいたのは、大トロの炙りまぐろだった。たった二切れしか入っていない。お店の方に尋ねたら、単品メニュにはないそう。なら、お替わりをお願いしたら追加300円で出してくれた。ある時とない時があるそうで、これ食べたさに定食を注文する地元の常連さんも多いといふ。地元のひとが、いつも食するものは、本当に美味しいのだわ。
ごとびき屋の女将の話は、尽きることなく、そう、コーヒーを飲み終えても尽きる気配もなさそうで、道中先がありますんでと、失礼させていただいた。また、行ってみよう!
特急くろしおは、もうすぐ白浜、もうおしまい。。