縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

大盛況!和歌山ブルース歌碑建立20周年記念 古都清乃 in ぶらくり歌謡音楽祭

昨日、和歌山市本町2丁目のフォルテワジマ4階で
和歌山ブルース歌碑建立20周年記念
古都清乃 in ぶらくり歌謡音楽祭が行われ、
300名を越す、歌謡ファンが参加しました。

フィナーレは参加者全員で「和歌山ブルース」、羅布陽介さん、夕海ゆうさん、古都清乃さん、宮本静さん
フォルワジマ4Fホールは立見もでる盛況ぶり

昭和43年に発売された、古都清乃さんの「和歌山ブルース」は、
当初「串本育ち」のB面だった。
当時世界最大の製鉄所だった住友金属和歌山製鉄所には、
全国から、多くの働き手が集まっていた。
その後のカラオケブームの浸透と共に、
彼らは各地に「和歌山の歌」として持ち帰り、
やがて全国に広まり、ロッテ歌のアルバムのテレビ出演を機に
80万枚を超える大ヒットとなった。
そして、昭和54年に、晴れてA面として、リリースされた。

和歌山ブルース歌碑・イベント看板と古都清乃さん

ぶらくり丁が歌いこまれた「和歌山ブルース」
広く市民からの寄付と公募されたデザインで、歌碑が建立され20年たった。
建立から、毎年のように、歌による街おこしイベントを重ねてきたのが
ぶらくり丁商店街による「和歌山ブルース歌碑プロジェクト」です。

今回は、約50名が参加し
夕海ゆうさんの司会で、三つの部門のカラオケ歌唱が行われた。
 古都清乃楽曲部門:「和歌山ブルース」など古都清乃オリジナル曲
 和歌山楽曲部門:和歌山が歌われたご当地ソング
 一般楽曲部門:演歌、歌謡曲、ポップスなど全般

古都さんもステージで応援する、古都清乃楽曲部門

また、古都さんゆかりで、地元で活動する歌手
宮本静さんと羅布陽介さんが、ゲスト出演し会場を盛り上げました。

宮本静さん「我が名は青洲」で華岡青洲を歌う
羅布陽介さん。シンガーソングライターとして「和歌山ブルース」を歌詞に登場

そして、古都清乃さんオンステージが始まった!
「和歌山ブルース」はもちろん
「紀ノ川の女」「加恵~華岡青洲の妻」などの
紀州・和歌山のご当地ソング
ひばりさんなどの昭和歌謡を織り交ぜて
客席せましと、歌い巡って、客席は大喝采
この春新発売された「まごころ小唄」はドドンパ!
素敵なお喋りもたっぷりの一時間。

古都清乃さん、ぶらくり歌謡音楽祭


フィナーレは、参加全員で「和歌山ブルース」の大合唱!
歌の歴史に、涙あり・・・
それぞれの、胸に刻まれた思いと共に
明るく、未来・希望へと、声を揃えて歌ったのでした。

開場まえのお客様です。終演後にも感想をお聞きしました。

終演後のみなさんからは。。。
「古都さんが、とても元気に歌われてるのに感動しました!」
「懐かしい歌が一杯で、元気がでたわ」
「こんなにたくさん聞かせてもらって、大満足」
など、嬉しいお言葉をたくさんいただきました。
なによりも、明るい笑顔でお帰りいただいたのが
とても印象的でした。

いたらぬ点も多々あったと思いますが
関係者の皆様、歌唱参加いただいた皆様
とりわけご来場いただいたお客様には、感謝しかございません。
本当に、ありがとうございました。

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和歌山ブルース歌碑建立10周年記念イベント
enka-enta.hatenablog.com

南方美穂室内楽コンサートVol.1  〜秋に贈る彩りの世界〜

わかやま新報 
とらふすクラシック・371。

南方美穂室内楽コンサートVol.1  
   〜秋に贈る彩りの世界〜
        クラリネット奏者 南方美穂

空が高く澄みわたり、心地良い秋風が吹き渡るこの頃です。芸術の秋に最適な10月、海南nobinos様と共催により「南方美穂室内楽コンサートVol.1〜秋に贈る彩りの世界〜」を開催させていただきます。

室内楽コンサートVol.1」ということで、個々の奏者をより身近に感じ、魅力ある室内楽の作品を取り上げる企画といたしました。 出演は、福井県出身、同志社女子大学音楽学科専攻科を修了されたクラリネット奏者の加藤優香さん。そして北海道出身、東京藝術大学大学院を修了されたピアニストの反保沙季さんをお迎えします。

1部は、クラリネットとピアノのソロ。N.ブルグミュラー作曲「デュオ変ホ長調作品15」、L.バッシ作曲「ヴェルディの歌劇リゴレットの旋律による演奏会用幻想曲」、2部はクラリネット2本とピアノのトリオで、F.メンデルスゾーン作曲「2本のクラリネットのための演奏会用小品」とM.マンガーニ作曲「2本のクラリネットとピアノのための演奏会用小品」とドイツとイタリアの作品をお届けいたします。

なかでも、イタリアの作曲家M.マンガーニ(1966-)の作品は、包み込まれるようなピアノの音色にのせてクラリネット2本が織りなす美しい旋律が、未来に繋ぐ架け橋のように、次々と鮮やかに展開していきます。この作品は、最近、クラリネット関係者やイタリア音楽愛好家の間で、急速に注目が集まっています。和歌山県では初演となるこの作品を是非とも会場でお聴きいただけますと幸いです。

日頃から、応援くださる皆様に感謝の気持ちを込めて演奏させていただきます。応援の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。

この演奏会は、10月20日(日)午後2時から、会場は、海南nobinos(海南市日方1525-6)。チケットは、一般千5百円、学生千円(当日各5百円増)。問い合わせは、南方美穂室内楽コンサート事務局(080・1502・2580)まで。

南方美穂
和歌山市生まれ。同志社女子大学学芸学部音楽学科演奏専攻卒業。第42回和歌山県新人演奏会奨励賞受賞。演奏活動を重ねながら、ベル音楽サロンクラリネット講師として後進の指導を行う。

ヘンシェル・クァルテット with 澤和樹&蓼沼恵美子

わかやま新報 
とらふすクラシック・370。

ヘンシェル・クァルテット with 澤和樹&蓼沼恵美子
           前• 東京藝術大学長 澤 和樹

ヘンシェル•カルテットは、今年結成30周年を迎えたドイツを代表する弦楽四重奏団です。もともとは、ヴァイオリンのクリストフとマルクスの双子の兄弟、そして彼らのお姉さんのモニカ•ヘンシェルヴィオラを担当、その三姉弟チェリストが加わる形で、1990年頃から活動を始めていました。彼らの父親は、シュトゥットガルト歌劇場管弦楽団の首席ヴィオラ、母親はピアニストという家庭で、家には伝説的指揮者のセルジュ•チェリビダッケや、20世紀最高のアンサンブルとも言われるアマデウス弦楽四重奏団のメンバーがしばしば遊びに来るような環境で、ファミリーで弦楽四重奏に取り組むのは自然な成り行きでした。1991年夏に、結成したばかりの澤クヮルテットが、ロンドンでの講習会(アマデウス•コース)に参加した時に、まだ20代だったヘンシェル•カルテットと出会いました。参加者の中でも一番若い彼らは、演奏でも輝いていましたが、モニカさんは、往年の映画スター、イングリッド•バーグマンを彷彿とさせるような美貌でもあり、翌年、日本で開催する事になったアマデウス•コースに下心100%(?)で誘い、彼らの初来日が実現しました。

以来、毎年のように来日して澤クヮルテットやピアノの蓼沼恵美子との共演も日本やドイツで数えきれないほどです。‘94年に、現在のチェリスト、マティアスが定着し、’96年には大阪国際室内楽コンクールで見事優勝。彼らにとっても日本とのご縁はとても大切なものです。

今年6月末から7月にかけて、結成30周年記念コンサートツアーに私と蓼沼を招待してくれ、ドイツとデンマークで思い出深い共演を重ねました。実は、7月29日に私の母、澤美意子が、96歳で生涯を閉じました。母はヘンシェルたちが来日の度に、全国各地を追っかけするほどのファンでした。演奏家としてはもちろん、礼儀正しく純真なドイツの若者たちに心底惚れ込んでいました。和歌山城ホールでの演奏会は彼らの申し出で、亡き母に捧げるコンサートにさせて頂きたいと思います。多くの皆さまにも、現代最高の室内楽をお楽しみいただければ幸いです。

プロフィール 澤 和樹
1955年和歌山市生まれ。東京藝術大学卒業、同大修士課程修了。安宅賞受賞。ロンドン留学を経て帰国、各地で演奏活動を重ね、県文化賞受賞。前•東京藝術大学長。和歌山県立図書館音楽監督

「ある晴れた日に」~ 「蝶々夫人」特別上映会

わかやま新報
とらふすクラシック・369

「ある晴れた日に」
   「蝶々夫人」特別上映会

      伏虎シネオペラの会 代表 西川和樹

伏虎シネオペラの会上映会は、ご来場いただいた皆様のお声のもと、第6回目の特別上映会の開催を致します。今回の作品は、日本を舞台に日本人にもなじみの深い「蝶々夫人」(作曲:ジャコモ・プッチーニ)。プッチーニ作品としては、「トスカ」(第4回)「トゥーランドット」(第5回)に次ぎ3作品目となります。

蝶々夫人」のあらすじなどをご紹介出来ればと思います。時は明治。若き芸者・蝶々さんとアメリカ海軍士官ピンカートンとの美しくも哀しい恋物語プッチーニ作品はどの作品も心理描写が非常に分かりやすく、本作品でも蝶々さんの深い愛が直線的伝わってきます。明治時代の日本とアメリカ、愛を貫くには現在では考えられない障壁が二人の間には立ちはだかります。様々な障壁がありながらも蝶々さんのピンカートンに対する純粋で素直な愛が、時に美しく、時に哀しく、揺れ動く蝶々さんの心理描写が鑑賞する人の涙を誘います。作中、蝶々さんが歌い上げる「ある晴れた日に」は本作品の代表的なアリア。またプッチーニ作品でありながら、日本のメロディーもモチーフにした作品は、海を飛び越え、西洋と日本の音楽が融合した傑作として世界中の人々に愛され続けています。

本作品の初演は、1904年、スカラ座。文化の違う日本を舞台にした事で興行的に失敗したとの記録があります。初演当時、受け入れがたかった本作品が、世界中の人から愛され、現在も上演され続ける理由は、他文化への理解・尊敬があった事は確かであると信じています。そこにはプッチーニが文化の違いとして、排他的に揺れ動く蝶々さん心理を描くことなく、一人の女性としての心理を描く事で、世界的に有名な作品になったと思います。

役を演じるのは、ミレッラ・フレーニ蝶々夫人プラシド・ドミンゴ(ピンカートン)の2大スター。この上映会は、9月13日(金)和歌山城ホール、開演午後2時。マチネでお待ちしております。前売2500円。当日2800円。問合:080-3764-8811まで

西川和樹
伏虎シネオペラの会代表。和歌山城ホールの建つ元伏虎中学校の卒業生。京都在住。新しいホールに相応しいエンターテイメントをと、大画面での日本語字幕付の特別上映会を行なっている。

わかふるコンサート2024 四季の郷・ 四季さい館

わかやま新報
とらふすクラシック・368。

 わかふるコンサート2024
  四季の郷・ 四季さい館

和歌山県と県文化振興財団が主催する「わかふるコンサート」は、気軽に文化芸術のもつ魅力を知っていただくことを目的に、和歌山県内で活動する音楽家達が、県内各地の施設をステージに、演奏を披露します。馴染みのファンも多く、開催を心待ちにされています。今年度初めてのコンサートが、9月1日(日)午後1時30分から、四季の郷・ 四季さい館(和歌山市明王寺479-1)で行なわれます。

四季の郷は、和歌山市初の道の駅として登録されて、リニューアルオープンした自然と農業をテーマにした公園、レストランや食に関する施設が揃っており、「わかふるコンサート」は初めての開催されます。施設内が一杯でも、お天気が良ければ、野外からコンサートを楽しみこともできそうです。

この日は4組が出演します。1組目は、ピアノ弾き語りのシンガーソングライター・あきゆらさん。AKB48の「365日の紙飛行機」やオリジナルの「きらめく明日へ」などを披露します。2組目は、クラリネットの南方美穂さん、フルートの重本千晴さん、ピアノの北一恵さんのトリオ。曲目は「楽しき農夫」「ニュー・シネマ・パラダイス」など。3組目は、池田智海さんと中前晴美さんのヴァイオリンデュオ・ha-momi。ルクレール作曲「2つのヴァイオリンのためのソナタ Op.5 」「川の流れのように」「糸」など演奏。4組目は、ピアノの坂上知之さんとヴォーカルの美馬雅世さん。「この素晴らしき世界」「500マイル」など洋楽スタンダードにオリジナル曲を交え演奏します。

ポップスとクラシックの名曲たちが楽しめる、この「わかふるコンサート20241st」をかわきりに、9月8日(日)は紀美野町・動物愛護センター、9月14日(土)は和歌の浦・万葉館、9月21日(土)は紀伊風土記の丘・古民家と続きます。開演時間はいずれも午後1時30分から、観覧無料です。出演者等の問合せは、県文化振興財団まで (073-436-1331)

第32回西陽子箏曲教室箏演奏会

わかやま新報
とらふすクラシック・367

この日曜日、和歌山市西高松の和歌山県立図書館メディア・アート・ホールで「第32回西陽子箏曲教室箏演奏会」が開催されます。箏曲家の西陽子さん及び東京と和歌山の教室の生徒さんによる演奏会で、尺八の大萩康喜さんも賛助出演されます。

西陽子さんは、1964年、和歌山市生まれ。4歳から生田流筝曲の手ほどきを受け、12歳で沢井忠夫に入門。1986年、東京藝術大学音楽学部邦楽科を卒業。その後、欧米、アジア各地の海外公演を重ね、ブラジルでは2009年以来毎年公演を行い、2010年から3年にわたり、コロンビア大学に客員研究員として赴任されました。こうした海外との交流のいっぽう、地元の和歌山に地域密着、母校の県立桐蔭高校筝曲部の指導や筝曲教室での活動を続け、伝統と現代の間でより根源的な視点に立ち、自由な発想と感性で、筝の音楽を追究されています。これまでに、クラシックの音楽家とのコラボレーション、即興による「四季熊野」など5枚のアルバムをリリース。2003年に和歌山県文化奨励賞受賞。

今回の演奏会は、次のように多彩なプログラム(順不同)が予定されています。春の海、響、フライパンの上のキリギリス、鳥のように、螺鈿、水の変態、明鏡、ログ、調べ三章、春の詩集、春三題、絃歌、物は尽くし、尾上の松、風の歌、筦絃秘抄、夕空、落葉の踊り、五節の舞、桜フラグメンツ、証城寺のスケルツォ火の鳥、双璧、櫻川、鷹、春の日、童謡なわとび、など。古典から現代音楽まで幅広く披露されます。また、西さんが弟子のために書き下ろした新作「あんたがたどこさ変奏曲」の初演も楽しみです。

この演奏会は、8月25日(日)午前11時から午後6時半まで。入場は無料で事前予約も要りません。途中の入場や退出もOKです(ただし、演奏中の入退場はご遠慮ください)問合せは、事務局(080・9126・4062)まで。今までで一番多くの出演者、小学3年生から~80歳代の皆さんによる箏演奏をお楽しみください。

ショパン〜絶望の闇と一筋の光〜

わかやま新報 
とらふすクラシック・366

暑い熱い夏、世界は、スポーツを通した人間育成と世界平和を究極の目的とした “オリンピック” に燃えていた。そして、私は今まさに、燃えています!ポーランド出身の作曲家、生涯において、他国の侵略を受けた祖国への思いを掲げ、常に持病と闘いながら、祖国の平和を願い音楽に祈りを込めた “ショパン” に燃えています。

といいますのも、来月、オール ショパン プログラムの「宮井愛子ピアノリサイタル My favorite Chopin 〜絶望の闇と一筋の光〜」を開催させていただくからです。ショパン39年の生涯、後半生の大半をフランスで過ごした彼の、消えることのない望郷への思いは、 “心臓だけはポーランドへ” との遺言になり、遺体はパリの墓地に埋葬されましたが、心臓だけは、ワルシャワの聖十字架教会の柱の中で、今も眠っています。

故郷を支配する列強への反発心が強く、作曲家で音楽評論家でもあったシューマンからは、「美しい花畑の中に大砲が隠されている音楽」と評されたそうです。病で実際には戦えない分、音楽で想いを発信し、また美を追求し続け、素晴らしい曲をたくさん残しています。ショパンの才能はもちろんですが、ショパンの病状が一段と思わしくない時期、恋人ジョルジュ・サンドが献身的な母性愛で支えた約10年は、特に大傑作を残すことができたとも言えます。

私自身は、 “故郷和歌山” で応援くださる方々に育てていただき、ご来場下さる皆様方に支えられ、頑張れていると感謝しています。作曲数250曲以上のうち約230曲がピアノ曲、ピアノの詩人と呼ばれるショパンの、平和への熱い思いと祈りを、全力で演奏しますので、ご来場いただき、応援よろしくお願いします!

この演奏会は、9月16日(月曜祝日)午後2時開演。会場は、和歌山城ホール・小ホール。全席指定席で、一般2千円、大学生以下1千円。チケット取り扱いは、同ホール(073-432-1212)。学生券は、musica.a.an.office@gmail.comまで。

宮井愛子
和歌山市生まれ。京都市立芸術大学音楽学部ピアノ専攻卒業。FUGA国際音楽コンクール金賞、アーティスト部門・ピアノ部門、各最優秀賞。和歌山市文化奨励賞、アゼリア賞受賞。和歌山市民オペラ協会会員。