縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

ピアソラって何ですか?

とらふすクラシック・169
  ピアソラって何ですか?
             マリンバ奏者 波木基子

リベルタンゴ」はよく知られていて、その作曲者であるピアソラの名前を知らない人はいないはず、と思い込んでいた私は、思いがけないその質問に驚きを隠せませんでした。人気のチェロ奏者ヨーヨー・マが「リベルタンゴ」を演奏するCMが流れていたのは今から20年以上も前のこと。「なんという曲なの?」「だれが作曲したの?」という疑問も持たないほど、「リベルタンゴ」のメロディは浸透してしまっているからなのでしょう。

19世紀後半のブエノスアイレスの下町の酒場で、日々の憂さをはらすように、飲みながら歌い踊るなかで、タンゴが生まれたと言われています。憂いを含んだ独特のメロディと躍動的なリズムのタンゴは、アルゼンチンの人々を魅了し、タンゴを踊ることは彼らの生活に浸透していきました。

そんな中ピアソラがタンゴを「踊るための音楽」から「聞くための音楽」へと変化させます。保守的なタンゴファンからは大バッシングを受けますが、ピアソラの革命は止まりません。彼の情熱的で時に切ない音楽は世界中で受け入れられ、没後30年経ってもなお、世界中で沢山の演奏家ピアソラの作品を愛奏しています。

アルゼンチンタンゴの進化の過程を1つの曲にまとめた「タンゴの歴史」という作品と「リベルタンゴ」を含む4つのピアソラ作品を、LURU HALLで演奏させて頂きます。

今回のコンサート「ピアソラとわらべうた」は、配信形式のコンサートです。バイノーラル録音という鼓膜がとらえる音楽を録音するための顔型のマイクで録音し、会場でお聞き頂くような音楽をインターネット上に再現します。ご自宅にいながら、コンサートホールの臨場感をたっぷりお楽しみ下さい。

演奏会は、9月6日(日)14時から、スマホやパソコンの画面を通してですが、皆様にお聞き頂けますことを楽しみにいたしております。お申込みは:https://luruhall.zaiko.io/e/20200906A

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波木基子 マリンバ奏者
和歌山市生まれ、3歳よりマリンバを始める。神戸女学院大学音楽学部卒業。2000年第2回万里の長城杯国際音楽コンクール管打楽器部門第2位

偉大な二人の作曲家のコンサート

とらふすクラシック・168
偉大な二人の作曲家のコンサート
     ピアニスト  宮本聖子

ベートーヴェン生誕250年の今年、世界中でそのお祝いコンサートがどれほど行われる予定だったでしょう?しかし新型コロナウィルスの感染拡大のため世界中から音楽会が消え、華々しくあるはずだったベートーヴェンの記念イヤーが一転、大きな苦境に音楽界が立たされる事態となりました。演奏会の中止、延期の連続。演奏者だけでなくホールやライブハウス、イベント・技術スタッフの方々の精神的、経済的打撃の大きさは計り知れません。大変な思いをしているのは音楽界だけではなく、コロナ禍で全世界が傷つき苦しんでいますが、そんな今、私たちに勇気と希望をもたらしてくれるのはやはりベートーヴェンの音楽であると思います。

自己の芸術を通じて未来の人類に希望を与えていくことを自らの使命としていたベートーヴェン。不屈の魂と情熱で数々の人生の苦難に立ち向かい、過酷な運命を克服していったベートーヴェンの音楽から「暗くつらい状況にあっても人生を信じ光に向かって生きていこうというメッセージを受け取り、力にしていくことが今こそ必要だと思います。

生誕210年のショパンは優雅で甘いイメージを持たれやすいですが、愛国心に溢れた情熱家でもありました。19歳でパリに渡った後二度と故郷の地を踏むことはありませんでしたが、ロシアに蹂躙され独立を奪われた祖国ポーランドを常に思い、ポーランド人であることの誇りを曲に込め、音楽を通じて祖国のために戦っていました。今私たちは新しいウィルスとの戦いの中にいます。精神的な誇りを失わずに戦う姿勢をショパンの音楽から学ぶことができるのではないでしょうか?

8月28日(金)19時よりLURUHALLにてベートーヴェンピアノソナタ「悲愴」「ワルトシュタイン」とショパンスケルツォ4曲を演奏いたします。偉大な二人の作曲家の素晴らしい音楽から、この厳しい苦難の時代を生きていく力と希望を皆さんと見つけて分かち合いたいと思っています。

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宮本聖子
東京音楽大学を経て、ベルリン芸術大学を最優秀成績で卒業。 同大学国家演奏家資格コース修了。現在大阪を拠点に多様な活動を重ねる。相愛大学音楽学部講師。

岩橋杏奈 武用穗花ピアノリサイタル

岩橋杏奈 武用穗花ピアノリサイタル

音楽大学4回生二人による「岩橋杏奈 武用穗花ピアノリサイタル」が開催されます。学生時代の最後の年を飾る集大成、更なる未来を拓くステージが期待されます。

岩橋杏奈さんは、和歌山県生まれ、現在大阪教育大学教育協働学科芸術表現専攻音楽表現コース4年在学中です。第28回和歌山県高等学校声楽・ピアノコンクールピアノ部門第1位、教育長賞受賞。第70回全日本学生音楽コンクールピアノ部門高校生の部大阪大会本選第3位など
受賞を重ね、さらに、ウィーンでのマスタークラス受講など研鑽を積んでいます。岩橋さんの演奏曲目は、モーツァルトピアノソナタK.333 変ロ長調ショパンのスケツォ第4番Op.54 ホ長調メンデルスゾーンの厳格なる変奏曲 Op.54の3曲です。

武用穗花さんも和歌山県生まれ。現在、京都市立芸術大学音楽学部ピアノ専攻4回生です。第29回和歌山県高校声楽・ピアノコンクール第1位。第22回KOBE国際音楽コンクールB部門最優秀賞、及び兵庫県知事賞受賞。第26回日本クラシック音楽コンクール全国大会第5位入賞など受賞を重ね、イタリアでのディプロマ取得、オーケストラと共演など研鑽を積んでいます。武用さんの演奏曲目は、ハイドンのアンダンテと変奏ヘ短調Hob.ⅩⅦ:6、ショパンエチュード Op.10-10、ラフマニノフエチュード「音の絵」Op.39-3、シューマンの8つのノヴェレッテンOp.21 第8番、プロコフィエフピアノソナタ第4番「古い手帳から」Op.29の5曲です。

この二人の演奏会は。8月22日(土)19時から、和歌山市のLURU HALL。限定15席の会場チケット(3000円)はすでにソールドアウトしていますが、高音質なライブ配信(1500円)が同時に行われ、お宅のスマホやパソコンで楽しむことができます。詳細はこちら:
https://luruhall.zaiko.io/_buy/1ntq:Rx:78097

古楽器アンサンブル!デンハーグピアノ五重奏団

古楽器アンサンブル!デンハーグピアノ五重奏団

Mah!ライブラリー室内楽定期演奏会 Vol.31「古楽器アンサンブル!デンハーグピアノ五重奏団」の前売チケットの販売がはじまりました。感染症拡大防止のため、4月25日から振替延期されていたものです。Mah!県立図書館での定期演奏会は、1月以来で嬉しい限りです。今年は、ベートーヴェン生誕250年、その記念スペシャルですから、なおさらです。

ベートーヴェンが生きていた頃のピアノは、現代のピアノの前身で「フォルテピアノ」と呼ばれていました。白鍵は真珠で彩られ、黒鍵には金箔の下地に鼈甲がかぶせられているという豪華絢爛たる様相。その透き通るような明瞭で多彩な音色は、弦楽器との自然で温かなハーモニーと一体となり、時を超えてウィーンの風を和歌山へと運んできてくれることでしょう。(パンフレットより)

デンハーグピアノ五重奏団は、オランダ王立デンハーグ音楽院古楽科で学んだメンバーを中心に、2008年発足。世界的にも珍しいフォルテピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの楽器編成によるピアノ五重奏団。世界各地の音楽祭に招聘され、2017年よりNHK-BSプレミアム「クラシック倶楽部」で放送されています。

今回のプログラムは、ベートーヴェンのエグモント序曲 (弦楽五重奏版)、. ピアノソナタ「悲愴」から2楽章(ソロ)、「月光」より 第1楽章、ピアノ協奏曲第3番ハ短調 。J.N.フンメル:ピアノ五重奏曲変ホ短調 より第3,4楽章、シューベルトピアノ五重奏曲イ長調「ます」より第4,5楽章。

フォルテピアノ」を東京から持ち込んで行われる今回の演奏会は、9月25日(金)18:30より、Mah!和歌山県立図書館(メディア・アート・ホール)。前売り3000円、当日4000円。ガイドラインにより限定150席。チケットは、県民文化会館、和歌山市民会館で取扱中。電話取置は、同ホール(073-436-9530)

けんぶんバックステージツアー

とらふすクラシック・165
けんぶんバックステージツアー
(一財)和歌山県文化振興財団
    事務局総務企画課 文化事業アドバイザー 仁坂博昭

和歌山県民文化会館は1970年11月2日に「県民文化の振興と県民福祉の向上」を図ることを目的に開館し、以来、今年で開館50年の記念の年を迎えることになりました。この間、多くの皆さん方にご来館いただき誠にありがとうございます。

今回のバックステージツアーは普段は見ることのできない大ホールの裏側をご紹介させていただきます。まず、大ホール客席中央付近に座っていただき大ホールの特徴や緞帳(どんちょう)を見ながらの説明。また、照明や舞台機構などで演出されたピアノ演奏などもご鑑賞いた
だけます。第1緞帳、第2緞帳を同時にご覧いただけるのもバックステージツアーならでは。第1緞帳は有田川町出身の洋画家・川口軌外先生の「少女と貝殻」を元に、第2緞帳は和歌山市出身の日本画家で文化勲章受章者の川端龍子先生の「筏流し」を元に製作されています。

大ホール舞台上に立ち、客席からはわかりにくい舞台の広さに驚かれるかもしれません。舞台上から大迫(おおぜり)で奈落(ならく)へ降り、 再度、大迫上でスポットライトを浴びステージへ・・・きっと出演者の気分を味わっていただけることでしょう。音響室や調光室では専門スタッフによる説明と直接機器に触れ、色の変化や音の大小などを確認しながら操作体験ができます。終わりには、参加者一同楽屋に入っていただき質問コーナーも設けたいと思っていますので多くの皆さんのご参加をお待ちしています。

このツアーは、9月13日(日)午後1時30分から、約90分間。定員は20名。お申込みは、電話・FAX・メールで必要事項をお知らせください。 参加者氏名・年齢・住所・連絡先<グループで参加される場合も全員分必要。締切りは8月5日(水)、多数の場合は抽選。問合&申込みは、和歌山県文化振興財団。メール:wacaf@wacaf.or.jp、電話073-436-1331、FAX073-436-1335まで 写真;県民文化会館の大ホール舞台から客席。

第48回和歌山県新人演奏会~出演者募集 ~

とらふすクラシック・164。
第48回和歌山県新人演奏会~出演者募集 ~

感染症の拡大予防の為に延期されていた第48回和歌山県新人演奏会が、11月15日(日)午後1時30分より、和歌山県民文化会館大ホールで開催されることが決まりました。この演奏会は、クラシック音楽を学ぶ優れた若人達を広く県民に紹介するとともに、 和歌山県の音楽文化の振興と向上を図るために毎年行われ、今回もオーディションの応募受付が始まっています。

このオーディションは、次の要領で応募を受け付けています。演奏部門は、クラシック演奏(生演奏に限る)で、声楽、器楽、作曲、邦楽、アンサンブル(8名編成を上限とする)に該当される方。演奏曲目は、自由ですが新人奏会の演奏曲となります。応募資格は、 年齢が20歳以上35歳以下(2020年4月1日現在)で、本県の出身者・在住者・勤務者・在学生・卒業生。アンサンブル部門は、出演者の半数以上が該当すること。また 過去「和歌山県新人演奏会」に出演された方は応募できません。(アンサンブル部門は除く)。結果発表は、オーディション審査後、即日発表。結果発表直後に、選考委員から個別に講評が行われます。オーディションは、9月26日(日)午後1時開始より、和歌山県民文化会館大ホールで公開、観覧無料で行われます。応募締切は、8月21日(金)必着。 オーディション合格者は「第48回和歌山県新人演奏会」に出演するわけですが、その際、演奏会の入場券代として3万円が必要となります。詳しくは、和歌山県民文化会館新人演奏会係 (073-436-1331)まで。

出演者募集のキャッチフレーズはこうです。「数々の有名アーティストが立ったこの舞台 過去800名を超える新人演奏家たちが この舞台から羽ばたいていきました 次はあなたが…」本年から、アンサンブル部門を新設され、演奏会出演後のわかふるコンサートやお出かけ公演などの活躍が益々楽しみとなります。注:この写真から日時は変更されています。

緑風舎 今年初の演奏会

緑風舎 今年初の演奏会
     緑風舎 舎主 岡畑精記
コロナが大きな打撃をあたえたのは観光旅行、飲食、輸送などをまず連想するのですが、実は音楽事業がとても大きな打撃をうけています。全国的に3月からほぼ全国的に音楽演奏会は自粛がはじまり、4月5月6月の三ヶ月はほぼコンサートは全面的に中止されてしまいました。7月になってようやく演奏会が遠慮がちに始まり、音楽を聴きたいがコロナにも注意をとまだ迷っている方が多いでしょう。新コロナ疫の中でひたすらに自粛し、我慢してきたいま、自粛が解禁になって、いざ始めたいことは何かを考えてみました。おいしい食事を友と楽しむ、最新流行の衣料の買い物、名画展覧会の美術館、それに加えていい音楽を聴きたいなど個人の趣向は千差万別ですが、中で最も強い思いは実は音楽ではないでしょうか?

福島311災害のあと多くの音楽家が彼の地でチャリティコンサートを開いています。中でも、90歳にも手が届くおばあちゃんが初めて聞くバッハの合奏協奏曲に涙をして、演奏に聴き入っている姿が今もまぶたの裏に生々しい。どれほど多くの人たちがクラシック音楽に心を癒やされ、明日のエネルギーをいただいたでしょうか。福島では淵がふかかっただけにその喜びは大きかったでしょう。和歌山は比較して穏やかに過ぎています。県民の皆さんの自制力や行政の努力にくわえて、紀州の地勢が大きく助けてくれたように思います。

緑風舎は今年ずっと自粛の中にありました。情勢も落ちついて来ましたので今月今年初めての演奏会を開きます。フルートとピアノの競演です。演奏家は大フィルの野津さんとおなじみの宮下さん(ピアノ)です。(HP参照)初めての試みですから用心深くスタートします。三蜜をさけてまずお客様は50名に限定、窓は開け放ち蚊取り線香で防御。一部制で1時間休憩もなく、恒例のパーティに代わって缶ビール缶ジュースを手にお庭を自由に散策いただけるようにしました。

9月からはMAHの定期音楽会がはじまります。10月9日から3日間きのくに音楽祭2020がはじまり、翌週は音楽祭出演者による学校への出前演奏会と続きます。音楽あふれる和歌山の秋はもうすぐです。音楽家への激励をこめて是非音楽会へ足を運んでください。

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プロフィール 岡畑精記
和歌山市野崎に建つ100席の音楽ホール・ 緑風舎 舎主。良質な室内楽のサロンコンサートの場として、年数回、自主企画の演奏会開催。