縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

第48回和歌山県新人演奏会~出演者募集 ~

とらふすクラシック・164。
第48回和歌山県新人演奏会~出演者募集 ~

感染症の拡大予防の為に延期されていた第48回和歌山県新人演奏会が、11月15日(日)午後1時30分より、和歌山県民文化会館大ホールで開催されることが決まりました。この演奏会は、クラシック音楽を学ぶ優れた若人達を広く県民に紹介するとともに、 和歌山県の音楽文化の振興と向上を図るために毎年行われ、今回もオーディションの応募受付が始まっています。

このオーディションは、次の要領で応募を受け付けています。演奏部門は、クラシック演奏(生演奏に限る)で、声楽、器楽、作曲、邦楽、アンサンブル(8名編成を上限とする)に該当される方。演奏曲目は、自由ですが新人奏会の演奏曲となります。応募資格は、 年齢が20歳以上35歳以下(2020年4月1日現在)で、本県の出身者・在住者・勤務者・在学生・卒業生。アンサンブル部門は、出演者の半数以上が該当すること。また 過去「和歌山県新人演奏会」に出演された方は応募できません。(アンサンブル部門は除く)。結果発表は、オーディション審査後、即日発表。結果発表直後に、選考委員から個別に講評が行われます。オーディションは、9月26日(日)午後1時開始より、和歌山県民文化会館大ホールで公開、観覧無料で行われます。応募締切は、8月21日(金)必着。 オーディション合格者は「第48回和歌山県新人演奏会」に出演するわけですが、その際、演奏会の入場券代として3万円が必要となります。詳しくは、和歌山県民文化会館新人演奏会係 (073-436-1331)まで。

出演者募集のキャッチフレーズはこうです。「数々の有名アーティストが立ったこの舞台 過去800名を超える新人演奏家たちが この舞台から羽ばたいていきました 次はあなたが…」本年から、アンサンブル部門を新設され、演奏会出演後のわかふるコンサートやお出かけ公演などの活躍が益々楽しみとなります。注:この写真から日時は変更されています。

緑風舎 今年初の演奏会

緑風舎 今年初の演奏会
     緑風舎 舎主 岡畑精記
コロナが大きな打撃をあたえたのは観光旅行、飲食、輸送などをまず連想するのですが、実は音楽事業がとても大きな打撃をうけています。全国的に3月からほぼ全国的に音楽演奏会は自粛がはじまり、4月5月6月の三ヶ月はほぼコンサートは全面的に中止されてしまいました。7月になってようやく演奏会が遠慮がちに始まり、音楽を聴きたいがコロナにも注意をとまだ迷っている方が多いでしょう。新コロナ疫の中でひたすらに自粛し、我慢してきたいま、自粛が解禁になって、いざ始めたいことは何かを考えてみました。おいしい食事を友と楽しむ、最新流行の衣料の買い物、名画展覧会の美術館、それに加えていい音楽を聴きたいなど個人の趣向は千差万別ですが、中で最も強い思いは実は音楽ではないでしょうか?

福島311災害のあと多くの音楽家が彼の地でチャリティコンサートを開いています。中でも、90歳にも手が届くおばあちゃんが初めて聞くバッハの合奏協奏曲に涙をして、演奏に聴き入っている姿が今もまぶたの裏に生々しい。どれほど多くの人たちがクラシック音楽に心を癒やされ、明日のエネルギーをいただいたでしょうか。福島では淵がふかかっただけにその喜びは大きかったでしょう。和歌山は比較して穏やかに過ぎています。県民の皆さんの自制力や行政の努力にくわえて、紀州の地勢が大きく助けてくれたように思います。

緑風舎は今年ずっと自粛の中にありました。情勢も落ちついて来ましたので今月今年初めての演奏会を開きます。フルートとピアノの競演です。演奏家は大フィルの野津さんとおなじみの宮下さん(ピアノ)です。(HP参照)初めての試みですから用心深くスタートします。三蜜をさけてまずお客様は50名に限定、窓は開け放ち蚊取り線香で防御。一部制で1時間休憩もなく、恒例のパーティに代わって缶ビール缶ジュースを手にお庭を自由に散策いただけるようにしました。

9月からはMAHの定期音楽会がはじまります。10月9日から3日間きのくに音楽祭2020がはじまり、翌週は音楽祭出演者による学校への出前演奏会と続きます。音楽あふれる和歌山の秋はもうすぐです。音楽家への激励をこめて是非音楽会へ足を運んでください。

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プロフィール 岡畑精記
和歌山市野崎に建つ100席の音楽ホール・ 緑風舎 舎主。良質な室内楽のサロンコンサートの場として、年数回、自主企画の演奏会開催。

画面を通じても感動を伝えられるコンサート

とらふすクラシック・162。
画面を通じても感動を伝えられるコンサート

ソプラノの矢倉愛さんからメッセージが寄せられています。「今年に入り、世界中を巻き込んだコロナウイルス。海外では次々とロックダウンが始まり、4月には日本も緊急事態宣言が発令されました。何でも出来る今の世の中で、こんなに何も出来なくなる状況になるなんて、誰も予想出来なかった事です。でも、もう新しい世界はすでに始まっていて、私はこの状況を受け入れて、向き合っていくしかないと思っています。目の前で奏でられる音楽を身体の全てで体感できるのが、コンサートの醍醐味ではある事には変わりはないけれど、画面を通じて伝えられる感動もあります。実際、私が尊敬してやまないオペラ歌手アンナ・ネトレプコに出会ったのは画面を通じて・・・『こんな風に歌えるようになりたい』と身体が震える程感動しました。今回のコンサートでは、会場で聴く人も、画面を通じて聴く人にも、同じくらい、音楽の楽しさ、美しさ、オペラの良さを伝えられるコンサートにしたいと思います。」

このコンサートは、椿姫、オテロ蝶々夫人、トスカ・・・オペラ・アリアの名曲たちと”Welcome to the new world”。出演は、ソプラノの矢倉愛さんとピアノの加藤英雄さん。LURUHALLでは、約100日ぶりの有観客のクラシックコンサートです。距離を空け定員の半分以下の15席、入場に際しては、お名前と連絡先を記入し、マスク着用、検温と手洗いもお願いいたします。換気システムの完備した会場で、安心してコンサートをお楽しみいただけます。

開催は、7月12日(日)14時より、和歌山市のLURU HALL。会場チケットは3000円(ドリンク付)限定15名。プレミア配信は2000円(一週間アーカイブ視聴付)視聴URLをお届けします。高音質、高画像です。WEB申込は:http://luruhall.zaiko.io/ 会場チケットは電話(073-457-1022)でも承ります。

千住真理子~県文コンサート再開さる~

とらふすクラシック・161。
千住真理子~県文コンサート再開さる~
感染症の影響で、 長らくステージが閉ざされていた和歌山県民文化会館で、クラシックのコンサートが再開されます。10月に開催される、千住真理子さんのヴァイオリン・リサイタルです。元々、今週の26日に行われる予定のコンサートが延期され、実現にいたったものです。

千住真理子さんは、日本を代表するヴァイオリニストの一人です。 3人の芸術家兄妹として知られ、長男の 千住 博さんは日本画家、二男の 千住 明さんは作曲家です。この3人を育てた母・千住文子さんは、教育評論家で、エッセイストとしても活動されていました。彼女の著書『千住家にストラディヴァリウスが来た日』には、真理子さんのストラディヴァリウス購入に際して、その資金を必死に集めた兄妹愛が生き生きと描かれています。

千住真理子さんの愛器は、1716年製のストラディヴァリウスです。この楽器を個人で所有されている人は世界でもわずかしかいません。「デュランティ」という愛称のストラディヴァリウスは、約280年間誰にも弾かれずに眠っていた幻の名器とされ、「城に隠され、演奏家が弾くことはなかった」とNHKの番組で紹介されこともあります。

この日のプログラムは、「アメイジング・グレイス」「ロンドンデリーの歌」「荒城の月」などよく知られた名曲に、エルガー「愛の挨拶」、クライスラー「愛の喜び」などの小品たち。それに、今年生誕250周年のアニヴァ―サリー・イヤー迎えるベートヴェンのヴァイオリン・ソナタ第5番「春」など、全13曲を予定しています。ピアノ伴奏は、山洞智さんです。

演奏会は、10月1日(木)19時から、入場料は4500円、全席指定です。感染症拡大予防のためマスク着用、一席づつ空けての160席限定となります。また、未就学児の入場はできませんが、一時保育を予約することはできます。一般販売は、7月13日(月)10時から、問合せは、和歌山県民文化会館(073-436-1331)まで

202X年、音楽がバリアフリー化される

とらふすクラシック・160。
 202X年、音楽がバリアフリー化される
     ギタリスト 金谷幸三

今回は話題のAIではなく人が遠隔操作するアバター・ロボットのお話。アバターの目(カメラ)を通して様ざまな情報を得ていくのですが、例えば代わりに会議に出席したりアバター同士で旅行したりなど、これまでのリモート端末と違い自分の分身が「そこにいる」ことがポイント。自己肯定、存在感に配慮した新ツールとして注目されています。

そして実はこの技術の応用が、今後の「ライブ配信」発展への鍵となりそうなのです。音質や映像は現状の技術でも十分ですが、演者と聴衆との距離感、対話を閉ざした状態で「生きた音楽」をどう伝えていくか、今はまだこの課題を完全に解決できていません。配信を「次世代のスタイル」として認知されるためにはさらなるテクノロジーとの連携が必要です。

これによって一時的な逃避ではなく「システムの進化」として動き始めるのです。進化?、そうです。なにしろ演奏中にお菓子を食べることが出来るんですよ。会場でお腹が鳴って身をよじった記憶は過去のもの。会場の人とチャットで喋ることも、逆に堂々と寝ることもできる。もう「起きてるふり」をしなくていいのです。これは明らかに「進化」です!。

もちろん一番大切なことはこれまで演奏会に行きたくても無理だった、例えば子育て中のお母さん、理由あって外出できない人たちとも音楽を共有できるようになる、それは究極のバリア・フリー・システムへと繋がっていくです。近い将来、会場には各地から花束に混じって「アバター」が宅急便で送られてきます。適当に座らせて(配置?)動作モードを「拍手」その後「寝る」にセット。演者はアバターを通してコミュニケーションを図り終演後はご自宅までまとめてお届け(夏場はクール便も可!)。そんな情景が当たり前になっているのかもしれませんね。それはまだ先として、その前に6月27日、私、金谷幸三もライブ配信を行います。詳しくは「黒江万金堂」http://mankin-do.comをご覧ください。

金谷幸三 プロフィール
ギターをパリ国立高等音楽院およびパリ国際音楽大学に学ぶ。柔らかく流麗な音楽表現を武器にバロックから現代前衛音楽まで幅広いレパートリーをこなす。和歌山市在住

ヴァイオリン製作者・無量塔蔵六さん

とらふすクラシック・159
 ヴァイオリン製作者・無量塔蔵六さん
  アーティストサービス夢や 成川弘治

会いたい人には会いたい時に会っておく、僕が常に大切にしている事。まだ調律師の駆け出しだった頃、同時にヴァイオリン製作を始めていました、きっかけはロケットの権威だった糸川英夫さんで、彼が戦後GHQに研究を禁止された際やる事無くてストラディヴァリウスの研究をしていたからで、彼が作ったヴァイオリンの製作記録と論文がとても興味深く、自分も製作してみようとしたのが最初でした。

兎に角何処から手を付けたら良いかで、素人なりに製作は進んでいたが、本職の人間に教えて欲しい事だらけ、どうせなら日本の第一人者に話し聞いた方が早いって事で、出会ったのが無量塔蔵六さんでした。こっちは無名の素人、向こうは、世界中のコンクールの審査員を任されている日本で初めてヴァイオリンの製作マイスターになった方で、当たり前だか相手にして貰えない。

でも素人の怖い所は彼が如何に凄い人かってのも分かってなくて、手紙や電話続ける内に、最後は来て良いよ…と言ってくれた。すぐに五反田まで飛んでって開口一番君は歳を取り過ぎている、あと何年か早くに来てれば弟子入り出来たが…と言われた。

こっちはありとあらゆる事を知りたかっただけで、弟子になれるなんて1ミリも思っていなかったが、工房から何から全てを見せて説明してくれた。当時まだ東京ヴァイオリン製作学校は閉校になる前で、工房にはお弟子さんがおられたし、隣のマンションの一室の資料庫には無数の弦楽器で溢れていた。あれから20年以上経って思うけど、ヴァイオリン製作者になるには遅すぎると言った親方の言葉にはそれで諦めるようなら、良い楽器なんて作れないよ…と言う言葉も隠されてたように思う。

その親方が92歳で亡くなったのをつい先日知った。もうヴァイオリンについて尋ねる事が出来ないけど、いづれヴァイオリン製作を再開し、お会い出来た事と、在りし日の工房のまだ活気があった頃の姿を思い出しながら別れを惜しみたい。

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成川弘治
海南市在住、アーティストサービス夢や代表、スタインウェイ会正会員、一級ピアノ調律技能士。和歌山の田舎から世界に目を向けているピアノ職人。ピアノと共に人生を楽しんでいます。

縷々” 配信コンサート!心のおもむくままに

とらふすクラシック・158
縷々” 配信コンサート!心のおもむくままに
         ピアニスト 宮下直子
緊急事態宣言が発令され、世の中が窒息しそうな空気につつまれ始めた頃、ジャズピアニストの小曽根真さんが、ご自宅のリビングから毎晩、医療従事者などへの感謝と、外出自粛中の人たちに家で音楽を楽しんでもらおうと、ライブ無料配信コンサートを始められたのを知りました。その頃、ネット上では不満が渦巻き、将来への不安の声ばかり。でも、小曽根家のリビングは、毎晩素晴らしいパフォ-マンスに感動した世界中の人々からの感謝と愛情に満ちたメッセージで溢れていました。私も、次々と行事が中止になり、何も出来ない無力感に陥っていたので、小曽根家から届く暖かく力強いピアノの響きに、何度も涙し励まされた事でしょう。

そんな折、ルルホールの岩橋さんから、縷々配信コンサートのお話を頂きました。こんな時こそ音楽の営みや人の繋がりを途切れることなく続けていきたい、との熱い想いにお応えできればと、その時に私の心の中にすっと近づいてきた作品を、心のおもむくまま演奏させて頂くことになりました。

ショパン:24のプレリュードから8曲、ノクターン第7番。ベートーヴェンソナタ「葬送」第3・4楽章。ドビュッシー:プレリュード1集から3曲。ラヴェル:高雅で感傷的なワルツから第7ワルツ。シューベルト即興曲作品142-3。シューベルト=ゴドフスキー編曲「楽興の時」

この作品たちは、かさかさに乾いた私の心を先ず潤わせてくれました。そして今、私が出来る事は演奏以外ないのだと、勇気を振り絞って準備しています。当日はバイノーラルという最高の高音質録音で配信されるそうです。ルルホール関係者の方々に感謝しつつ、皆様に少しでも楽しんでいただける音楽が届けられますことを心から願っています。そして、今や新しいコンサートの時代が始まったともいえるでしょう。でも、やはり、世界がコロナ感染の不安から解放され、皆様のお顔が見えるコンサート会場で演奏できる日が一日も早く来る事を願わずにいられません。

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プロフィール 宮下直子
和歌山市在住。東京藝術大学卒業。在学中安宅賞受賞。ロンドン留学を経て帰国。 各地で演奏活動を重ね、県文化奨励賞、市文化奨励賞受賞。相愛大学京都市立芸術大学講師。きのくに音楽祭プロデューサー。