縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

北島佳奈バッハ無伴奏ヴァイオリンの響き

わかやま新報 
とらふすクラシック・347
北島佳奈バッハ無伴奏ヴァイオリンの響き
           LURU HALL 支配人 田口雄基

ホールを一つの楽器のように、響きを自在に操るヴァイオリニスト・北島佳奈さんによる独奏会「北島佳奈バッハ無伴奏を弾く〈ソナタ&パルティータ全曲演奏会Ⅱ〉」が4月21日(日)午後2時から開催されます。

この公演は、全6編からなるバッハ「無伴奏ヴァイオリン」全曲演奏会の後編にあたり、昨年11月に満員御礼で開催された全曲演奏会Ⅰは、ご本人が「ここで演奏するとヴァイオリンが喜ぶ」「今日、ここでしか生まれない響きを楽しんでいってもらいたい」とおっしゃっていた通り、演奏も響きも大変充実した素晴らしいものでした。

ヴァイオリンやチェロなどの弦楽器は、表板と裏板の間に挟まれた「魂柱」と呼ばれるたった一本の木材によって弦の張力で生まれる強い圧力を支えており、この魂柱が弦の振動を楽器全体に伝え、豊かな響きを生み出しています。そして魂柱のわずかな位置の違いが楽器の音量、響き方、音色に大きな影響を与えています。

紀州天然木材の反響板がふんだんに用いられたLURUHALLにも、そんな“スイートスポット”があります。前回のリハーサルの際、ステージのオススメのポイントにご案内したところ、北島さんは、立ち位置の数センチの違いや、楽器を構える姿勢の違いでどのように響きが変化するのかを把握され、その特性を演奏にどう取り入れるか楽しそうに工夫を重ねていました。

そして本番、弱音部で繊細なタッチを強調したいシーンでは一歩進み出て弦の鮮明さを高め、たっぷりとした響きで豊かさを出したい局面では、ホールのスイートスポットから天井に向かって音を飛ばすといったように、ホールの響きを楽曲表現に一体化させ、お客様を含めた一期一会の時空を創り上げてみえたのがとても印象的でした。

4月21日の後編では会場席はもちろん、そんな響きを特等席で聴けるハイレゾ・バイノーラル配信もございます。北島佳奈さんが奏でるバッハ無伴奏ヴァイオリンの珠玉の響きをぜひ、その耳でお確かめください。

プロフィール
1986年、岐阜県生まれ。MUSIC ENGINEER、空間録音家。
2012年より、音楽の新しいカタチ、バイノーラル録音で時空を超え、
繋がる歓びを追求するANIMA ―魂を繋ぐ音― 主宰。