縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

オペラ映画「トスカ」上映会

とらふすクラシック・319。
全幕ローマ・ロケ!
オペラ映画「トスカ」上映会
        伏虎シネオペラの会代表 西川和樹

2022年4月から和歌山に「オペラ映画を届けたい」と願い、スタートした伏虎シネオペラの会も10月4日開催の「トスカ」(作曲 ジャコモ・プッチーニ)上映会をもって第四回目を迎える事になります。第四回を迎えるまでに温かいお言葉、協力、ご支援、また上映会に関する提案やご指摘など、ご来場された皆様の文化熱を肌で感じています。

今回、上映するオペラ映画「トスカ」はトスカ役に”トスカ歌いの第一人者”とも言われるライナ・カバイヴァンスカ、相手役は若き日の三大テノールの一人プラシド・ドミンゴが出演し、プッチーニ屈指の名作オペラを、全幕ローマロケでの作品となります。

オペラファンには聞き慣れた「トスカ」。実は「オペラ作品は初めてだ」という方にも充分に楽しんでいただける作品です。その理由は<愛がもたらす悲劇>。全幕を通じて一人の女性の純粋な、愛を貫く一つの人生のドラマが、スクリーンを通じて、鑑賞する全ての人の心を揺さぶります。

今を生きる私たちにも必要不可欠な“愛”、 “愛”とは無償であり、純粋で、共感し、豊かさを与える。しかしながら時に、自分自身を勇敢に奮い立たせる根源となるのも、他人に牙を剥くのも、“愛”が持つ力ではないかと思います。すべての生物は“愛”を信じ、行動しうる生き物であると。

物語となる舞台はフランス革命後、自由主義が吹き始めた1800年ローマ。自由主義の風が引き始めたローマで、一人の男性に恋に落ちたトスカ。互いに愛し合う二人は、互いに純粋な“愛”で幸せを願う。が、しかし、国同士の価値観の対立で結ばれるはずの純粋な“愛”が、永遠に結ばれない“愛”へと・・・。二人の運命は悲しみの物語へと展開していきます。“愛”が持つ様々な形が行動として現れます。本作品の魅力は歌声だけでなく、全幕を通して美しくも悲しい<愛がもたらす悲劇>のドラマが最大の魅力でもあります。和歌山城ホール、マチネでお待ちしております。
西川和樹
伏虎シネオペラの会代表。和歌山城ホールの建つ元伏虎中学校の卒業生。京都在住。新しいホールに相応しいエンターテイメントをと、この4月から大画面での日本語字幕付の特別上映会を行なっている。