縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

きのくに音楽祭2020開催に寄せて②

とらふすクラシック・176。
  きのくに音楽祭2020開催に寄せて②
         ピアニスト 宮下直子

今年もきのくに音楽祭が開幕しました!開催を信じて準備をして下さった関係者とご支援ご協力頂いた皆さまには心から感謝申し上げます。

さて、今回は聴きどころを。先ず「発掘レクチャーコンサート」について。今年は、ベートーヴェンショパンの生誕記念年。南葵音楽文庫の美山良夫慶應大学名誉教授に、「使命のベートーヴェン、心のショパン徳川頼貞が向き合った音楽世界〜」というタイトルでお話し頂き、後半は、私の恩師小林仁先生編曲の、ショパン作曲ピアノコンチェルト第2番弦楽六重奏版を、和歌山出身の鴇田恵理花さんをソリストに迎え、チェリスト林裕と仲間たちとの絶妙なアンサンブルでご堪能下さい!ベートーヴェンの本邦初演や、ホルマンコレクションから発掘されたショパンのチェロ演奏も必聴です!

そして、子ども達に焦点を合わせた新企画〜「0歳児からのファミリーコンサート」「若い芽のコンサート」〜が音楽祭初日を飾り、まだ首が座ったばかりの赤ちゃんがじっと演奏に聴き入る姿、小中高生たちの才気溢れる演奏に感動しました。初めて上質の生の演奏に触れた子どもの頃の経験は、記憶の何処かに必ず残ります。その経験がいつか人生の何処で生かされ、「音楽や芸術が人間にとって必要不可欠なもの」と考えられる人が1人でも増えて欲しい、との思いが強くなりました。「若い芽」に出演した子どもたちの中には、世界で活躍する音楽家を夢見る子もいます。そんな子ども達が憧れる音楽祭にきのくに音楽祭が成長してくれたらと、切に願います!!

最後に、私自身密かに楽しみにしているのが、和歌山県立近代美術・博物館広場のピクニックコンサート。青空の下、赤ちゃんもワンちゃんも、ご家族全員、ランチ片手に、極上のブラスアンサンブルを楽しみにいらっしゃいませんか?明日から、きのくに音楽祭2020のメインコンサートが始まります!スタッフ一同皆さまのお越しを心からお待ちしております!!

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プロフィール 宮下直子
和歌山市在住。東京藝術大学卒業。在学中安宅賞受賞。ロンドン留学を経て帰国。 各地で演奏活動を重ね、県文化奨励賞、市文化奨励賞受賞。相愛大学京都市立芸術大学講師。きのくに音楽祭プロデューサー。