縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

澤和樹: ヴァイオリンでうたう日本のこころ

とらふすクラシック・174。
澤和樹: ヴァイオリンでうたう日本のこころ
日本を代表するヴァイオリニストにして、東京藝術大学学長として知られる澤和樹さんのアルバム「ヴァイオリンでうたう日本のこころ」が、今週キングレコードより発売されました。同じくヴァイオリンの澤亜樹さん、ピアノの蓼沼恵美子さんも加わった澤ファミリーで、懐かしくも美しい日本の調べを奏でています。

この春、新型コロナウイルス感染症を乗り越えるため、東京藝術大学と同学のある東京都台東区が、「ステイホーム」で頑張る皆様へエールとなる音楽番組を制作されました。日本最古のコンサートホールでもある旧東京音楽学校奏楽堂で、日本の懐かしい調べが収録され、今もYouTubeで配信されています。このアルバムは、同じ演奏者により、キング関口台スタジオで、数曲を新たにくわえレコーディングされたものです。

「日本の原風景を描き、やさしさ、懐かしさ、素朴さに溢れた日本のこころそのものです」(ライナーノーツより)と澤さんが書きおこすように、唱歌の原曲に限りなく近く、そしてシンプルで、付録の歌詞を眺めながら思わず口ずさんでしまうような、こころなごむ器楽のアルバムです。表紙絵は、日本画の大家・平山郁夫さん「薬師寺の夕べ」より、題字は、前学長で文化丁長官の宮田亮平さんによるものです。

収録曲は23曲、 夏は来ぬ/花/荒城の月/ふじの山/村の鍜治屋/早春賦/城ヶ島の雨/朧月夜/故郷/宵待草/叱られて/七つの子/砂山/どこかで春が/夕焼小焼/この道/待ちぼうけ/からたちの花/浜辺の歌/出船/椰子の実/初恋/夏の思い出。楽曲解説も素晴らしく読み応えがあります。

久方ぶりにCDを買って、聴いて、読んで、歌ってみるのも楽しいものです。2020/09/23発売。KICC-1546、3000円。また、澤和樹さんは、ご存知、和歌山市出身、10月に開催される”きのくに音楽祭2020”の総監督であり、結成30周年を迎える澤クヮルテットを率いて演奏もされます。