縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

子供の為のプロコフィエフ

本日付け、わかやま新報、とらふすクラシック・106。
子供の為のプロコフィエフ
         ピアニスト 宮下直子
令和元年を迎え、新緑が輝き生命の息吹が感じられるこの季節、世界各地で様々な音楽祭が開催されています。日本では、ラ・フォル・ジュルネや、夏にはPMF、秋には、ついに世界最大級のクラシック音楽祭BBCプロムスが日本で開催されることになりました。ここ和歌山でも、待望のクラシック音楽祭「きのくに音楽祭」が秋の開催に向けて着々と準備が進められています。総監督はヴァイオリニストの澤和樹氏。チーフプロデューサーは箏曲家の西陽子氏。クラシックと邦楽を中心に、様々なジャンルの音楽が、和歌山県立図書館メディア・アート・ホールをメイン会場に街中に溢れます。その中で、私は「南葵音楽文庫」秘蔵の作品を林裕氏のチェロで聴く「きのくに発掘コンサート」、今注目を集めているピアニスト中谷政文氏を紹介する「今夜はクラシック」他、全17公演の企画に実行委員として関わり、開幕を心待ちにしているところです。

フォルテピアノ広場クラシックスは、音楽祭のプレコンサートとして4月から始まり、5月11日(土)14時からは「子供の為のプロコフィエフ」と題して音楽童話「ピーターと狼」とバレエ音楽「ロメオとジュリエット」を私のピアノと福山ひでみさんのナレーションでお楽しみ頂きます。子供たちの夢を「育む」ことは、音楽祭の最も大切なコンセプトの一つで、幼い頃に体験した感動は大人になっても身体の何処でしっかり記憶しているもの。プロコフィエフは私が音楽家になる過程で大きな影響を受けた作曲家の一人です。

中でも「ピーターと狼」「ロメオとジュリエット」は、多感な子ども時代に是非聴いておきたい作品。過去の記憶と新たな発想を手繰り寄せ、二つの物語の情景が小さな子供さんにも鮮明に目に浮かぶような工夫を致しました。プロコフィエフの愛に満ちたファンタジーの世界をご家族お揃いで楽しんで頂ければこの上なく幸せです。先ずはフォルテピアノ広場にいらして下さい!

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プロフィール 宮下直子
和歌山市在住。東京藝術大学卒業。在学中安宅賞受賞。ロンドン留学を経て帰国。各地で演奏活動を重ね、県文化奨励賞、市文化奨励賞受賞。相愛大学京都市立芸術大学講師。きのくに音楽祭プロデューサー。