とらふすクラシック・274。
柴田陽さん、音楽のふるさと和歌山でソロ・デビュー!
きのくに音楽祭事務局 高水 美佐
きのくに音楽祭が来週いよいよ開幕します。初日を飾るのは、「ウェルカム・コンサート」、澤和樹音楽祭総監督率いる、和歌山ゆかりの演奏家によるアンサンブルが登場します。「このまちで育つ子どもたちへ」という本年のキャッチフレーズに相応しく、中学3年生の柴田陽(ひかる)さんが、モーツァルトのピアノ協奏曲イ長調K414のソリストを務めます。
柴田さんは、2007年生まれの14歳。2歳よりタイ、ラオスで暮らし、17年に帰国し、和歌山へ。まだ慣れない日本語と格闘していた小学6年生の夏、イタリアのタディーニ国際音楽コンペティションで第1位を獲得し、話題になりました。以降、数々のコンクールで受賞を重ね、現在は西宮のインターナショナルスクールに通っています。またきのくに音楽祭は、1回は「ロビー・コンサート」、第2回は「若い芽コンサート』に出演。そのことを「子どもたちにも演奏の機会をくれた貴重なステージ」と自ら振り返っています。
柴田さんは、この夏はポーランドのマスタークラスに参加して、ショパン国際ピアノコンクール審査員のレッスンを受講してきたばかり。「あなたはピアニストではない、アーティストなんだよ」「シアターを、自分の体ひとつで表現して」など、マスタークラスで受けたアドバイスが印象に残っていると語っています。
また、柴田さんにとって和歌山は、日本と出会い、音楽へと開かれた思い出の地。「片男波ビーチの散歩からも演奏のインスピレーションを得ていたと思います」「素晴らしいピアノの先生に出会い、自然に囲まれて音楽に集中できた和歌山に育ててもらいました。その成長を、今回、皆さんに聴いていただけたら」そう意気込む小さなアーティストには、大きなエネルギーが満ちあふれています。
この公演は、10月14日(金)午後2時~、和歌山城ホール小ホール。前売チケットは同ホールなどで発売中。詳しくは(kinokuni-fes.com)。
高水 美佐 プロフィール
和歌山市出身。小中高時代を過ごした1970~80年代、ぶらくり丁周辺の映画館通いに明け暮れ世界の広さに大きな憧れを抱く。きのくに音楽祭事務局に参加しながらクラシック音楽に出会い中。