わかやま新報
とらふすクラシック・382
モーツァルト&シューベルト
宮下直子/砂原悟 ~ピアノ4手連弾コンサート
ピアニスト 宮下直子
12月22日(日)午後2時より、和歌山市狐島LURUHALLlにて、今年度で京都市立芸術大学を退官される砂原悟さんとモーツァルト&シューベルトの連弾コンサートを開催致します。2018年のデュオ以来6年ぶりとなります。
砂原さんとは、大学時代の同期でしたが、卒業後30年以上を経て再会したのは、私達の恩師小林仁先生の門下会でのことでした。そして、その再会がきっかけで、砂原さんが京都市立芸術大学の学部長(現副学長)に就任された際、ダブルティーチングの形で呼んで頂き、彼のクラスの若い才能を指導する刺激的な生活が始まりました。
学生さん達はそれぞれ個性豊かで、レパートリーの幅の広い砂原先生ならではの課題曲の与え方も興味津々。その作品に全力で取り組む学生達の熱気に包まれ、色々な種類の鍵盤楽器が並ぶ不思議な空間の中で、瞬く間に濃厚な時間が過ぎて行きました。そして私も12月をもって退職となります。
最後に何か記念になるコンサートを一緒に出来ないかという想いで決まった今回のデュオコンサート。選曲を全てお任せしたら、私達が敬愛するシューベルト中心のちょっとレアで素敵なプログラムを提案してくれました。
モーツァルトの「アンダンテと5つの変奏曲」で始まり、シューベルトの「ハンガリー風ディヴェルティスマン」で終わるプログラム。モーツァルトはシンプルの極み。シューベルトは同じモチーフが何度も繰り返され、様々な道筋を辿り、到達した先に言葉では言い尽くせない感動が湧き起こります。
「その感覚がなんとも言えないよね。」という私達共通の感覚と申しますか、その感動を皆さまと共有できますよう、日々励みたいと思います。師走のお忙しい時期とは思いますが、是非是非お運び下さいませ!またバイノーラル配信でもお楽しみ頂けます。
最後に、世界は理不尽な争いが蔓延していますが、1日も早く平安な日常がもどり、素晴らしい楽興の響きが1人でも多くの方に届きますように。
プロフィール 宮下直子
和歌山市在住。東京藝術大学卒業。在学中安宅賞受賞。ロンドン留学を経て帰国。 各地で演奏活動を重ね、22年CD「Schubert」をリリース。和歌山県・和歌山市文化奨励賞、地域文化功労賞受賞。相愛高校・大学・大学院、京都市立芸術大学・大学院講師。