縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

北島佳奈!ヴァイオリンリサイタル

とらふすクラシック・278
北島佳奈!ヴァイオリンリサイタル
       ヴァイオリニスト 北島佳奈

来週、十一月七日(月)午後七時より、ルルホールに於いて、「北島佳奈!ヴァイオリンリサイタル」を開催させていただきます。リサイタルのタイトルに「!」を見つけたときは、うれしい驚きでした。それは、私に投げかけられた一本のエールのリボンでした。そのリボンの端を、私がしっかり受け止め握りしめたことが始まりです。
先日のルルホールでのリハーサルのことです。私は、ヴァイオリンの音でいつものようにホールにご挨拶をしたのです。すると、私のヴァイオリンの音を優しく丸く包んでくれる感じが、五年前のあの時のまま。あまりの嬉しさに、思わず、頬っぺが緩んでしまいました。ルルホールの紀州杉に囲まれた空間の中で、ヴァイオリンを響かせますと、ヴァイオリンがとても喜ぶのです。それは他の空間とは違う、長い年月を経て奇跡のように出会った「樹」同志が、隔たった時空間などものともせずに呼び合っているような、うれしい共鳴です。私自身、あたたかい豊潤さに包まれ、この空気間の中でヴァイオリンの音を味わっていただけるのはとても幸せなことです。

そして、私の愛してやまないブラームスを聴いていただきます。小学六年生でブラ―ムスの曲を耳にした私は、言葉にはならない感覚ながら「いつか必ずブラームスの曲を弾きたい」強い思いが芽生えました。初めて人前でブラームスの演奏した時、記念してファーストピアスを着けました。それは、消えない記念が欲しかったからで、これから続く私の音楽人生で、生涯ブラームスと向き合っていくという決意の証明のようなものでした。

五年前ルルホールで、ブラームスソナタ一番をお聴きいただき、この度は二番三番をお聴きいただきます。私のブラームスと共に歩む軌跡の傍らには、熱いエールを送ってくださる方々が必ずいて下さります。私は、私の響かせる音で、皆様に明日に繋がる希望や元気を少しでも届けられるよう、ヴァイオリンに向かう日々を送っていきます。

ヴァイオリニスト 北島佳奈
和歌山市生まれ、4歳からヴァイオリンを始め、京都市立芸術大学、大学院在学中、ドイツに留学。帰国後、各地で活動を重ね、和歌山青年会議所アゼリア賞、大桑文化奨励賞、和歌山市文化奨励賞受賞