朝日新聞和歌山版
ときめく★楽・音・生・活
菊池洋子の「J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲」
ピアニスト・菊池洋子さんのCD「J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲」(写真:avex classics AVCL-84146 3300円)が12日に発売されました。発売記念の「ゴルトべルク変奏曲」全曲リサイタルが、東京サントリーホール、兵庫県立芸術文化センター、そして、和歌山LURUHALLの3会場で行われます。
東西の300席を超える名門ホールと並んで、地方の33席の会場で、リサイタルをお聴きいただけるのは大変光栄なことです。この曲が出来た頃のサロンのような響き、演奏者はもちろん観客の皆さんの息つかいまでも感じ、リラックスと緊張感が入り交じるLURUHALLは、より深く音楽に没入できるからかもしれません。
菊池さんは、前橋市生まれ。桐朋学園女子高等学校音楽科卒業後、イタリアのイモラ音楽院に留学、2002年にモーツァルト国際コンクールで日本人初優勝を果たし、モーツァルトを中心に活動を展開し、実力・人気ともに日本を代表するピアニストの一人となりました。彼女の魅力は、誠実で透明感あふれる美しい音と、深く内省的な音楽づくりです。今回、満を持しての「ゴルトベルク変奏曲」は、ひたすらにバッハの書いた音を、そのまま聴き手に示してくれています。
29日午後2時からの和歌山公演は、すでにキャンセル待ちですが、3会場の中で唯一、LURUHALLではライブ配信(3千円、1週間アーカイヴ付き)を行います。ホールの響きをそのまま伝えるバイノーラル録音×ハイレゾ配信で、視聴は、スマホでもヘッドホンでもしっかり高品質で楽しめます。問い合わせは、同ホール(073-457-1022)か、ホームページ(http://luru.jp/hall/archives/event/20230729a)。