縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

バロック・ファンタジー〜古楽の旅〜

本日付け、わかやま新報、とらふすクラシック・97。
 バロック・ファンタジー古楽の旅〜
      ピアノ・チェンバロ奏者 上野山 彩子
1600年、私達の国、日本で江戸幕府が誕生し、芸能の分野では出雲生まれの「阿国歌舞伎」の舞台が人気を集めていた頃、フィレンツェでは楽譜が現存するものとしては最古のオペラ「エウリディーチェ」が上演されました。そして同じくこの頃、フィレンツェを拠点としてカメラータと呼ばれる詩人、学者、音楽家達のグループが、かつての偉大な芸術をよみがえらせようという活動を行っていました。

それは歌の言葉の意味をより聴き手に雄弁に伝え、前の時代ルネサンス時代の音楽よりも、強い感情表現を行う方向へと目指すものでした。調和からドラマティックな表現へ、音楽は舵を切って行きます。バロック時代の始まりです。流行りを見せていたダンスは宮廷舞踏、舞台芸術としてもより洗練され、楽器が添え物ではなく主役として活躍する作品がたくさん生まれました。

LURUHALL3周年アニバーサリーコンサートvol.7の「バロック・ファンタジー古楽の旅〜」は、1600年からJ.S.バッハが没する1750年までのバロック時代前期・後期の音楽の中から曲を選び、豊かな人間の感情を描いた作品を演奏します。アンサンブルでは、リコーダーの奏でる旋律を、数字付き低音の上に鍵盤奏者が付ける和音と即興によるリアリゼーションで支えます。奏者が自ら作るリアリゼーション、これも古楽の楽しさ、醍醐味だと思います。

絶対王権のもとで生まれた雅なフランス、オペラとともに楽器を発展させたイタリア、音楽の大消費国イギリス、などの諸国の音楽を、繊細なニュアンスを伝え得るこのホールで奏でられることが本当に嬉しいです。舞曲のリズムとともに、いつの世も世界に共通の想い、激しい感情を音楽で伝え、「ファンタジー」を感じて頂けたらと思っています。

コンサートは、3月31日(日)15時より、3000円(アフター・ティーパーテイ付)。和歌山市狐島のLURUHALL(073-457-1022)にて。 お問い合わせは同ホールまで。

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プロフィール 上野山彩子
大阪府箕面市生まれ。神戸山手女子短期大学音楽科卒業、同学音楽専攻科修了。ピティナピアノコンペティション上位入賞。卒業後、チェンバロ通奏低音を学ぶ。意欲的に演奏・コンサート企画を行っている。