縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

グリーグのピアノ協奏曲「市響with宮井愛子」

とらふすクラシック・306。
グリーグのピアノ協奏曲「市響with宮井愛子」
     和歌山市交響楽団理事 髙橋巧二
6月25日(日)13時30分より、和歌山城ホールにて、和歌山市交響楽団(以下市響)第56回定期演奏会が行われます。メイン曲は「ラフマニノフ交響曲第2番」。メロディーが美しくて大変人気のある曲の一つですね。ただ、この曲は技術的に大変難しい曲で、アマオケが演奏するには荷が重いと言われています。しかし市響団員の闘争心?に火がつき、今回この難曲にチャレンジすることになり、プログラムは協奏曲との2曲に絞ることにしました。

そして今回の協奏曲は、数あるピアノ協奏曲の中でも極めて有名なグリーグのピアノ協奏曲。ソリストには、和歌山市在住で2021年度には和歌山市文化奨励賞を受賞されたピアニスト宮井愛子さんをお迎え致します。「北欧のショパン」とも呼ばれるグリーグ。このピアノ協奏曲は1868年グリーグ25歳の時の作品。日本ではちょうど明治維新の年ですね。第1楽章冒頭の劇的なピアノソロは特に有名で、「フィヨルドに注ぐ滝の流れ」を表現したとも言われ、曲名を知らなくてもテレビBGM等で一度は耳にしたことがあると思います。

ところで、宮井さんにお聞きした話ですが、この曲のピアノソロで『10音の和音』を弾くところが2ヵ所あるそうです。ひとつは「最後の最後の重要なソロ演奏で”ガツン〟と『10音の和音』が出てくる」のだそうです。ピアノ演奏で10本の指すべてを使って、同時に10個の音を鳴らすのは大変珍しいそうで、宮井さんは「手の小さい私は必死で弾きます(笑)」と仰っていました。考えるだけで手の関節が痛くなりそうですね。

それではもう1ヵ所はどこでしょう?ヒントは第3楽章。お子様連れ大歓迎。お気軽な気持ちでご来場頂き、宮井さんの『10本の指』にも是非ご注目下さい!

この演奏会は、和歌山城ホール大ホール、入場料1500円(学生500円)※未就学児無料。前売りは同ホール(073-432-1212)で取り扱い中。詳しくはQRコードをご覧ください。

プロフィール 髙橋巧二
和歌山大学在学中に和大交響楽団和歌山市交響楽団に在籍。現在、和歌山市交響楽
団理事、関西トランペット協会会員、アマチュアトランペット奏者。