縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

公開5年アカデミー 南葵音楽文庫からの温故知新

とらふすクラシック・293
公開5年アカデミー
南葵音楽文庫からの温故知新

南葵音楽文庫が里帰りし、和歌山で公開されてから5年がたちます。この文庫は、紀州徳川家第16代当主徳川頼候が、大正時代に集めた、西洋音楽書や楽譜などのコレクションです。全体で20000点を超え、イギリスの音楽研究者の有名なカミングス・コレクションや、往時の活版印刷の書籍やベートーヴェンベルリオーズの直筆譜など数々の世界的な資料が含まれています。

これらの資料は、一部の重要資料を除き、県立図書館の閲覧室で常に公開され、誰もが閲覧することができます。同時に専門の研究員たちにより、多くの新しい事実や資料が見出されています。これらのコレクションの尽きない魅力は、当初は毎週開かれたミニレクチャーや、アカデミーとよばれる定期講座で、数多く発信されています。また、この動きにリンクするように、サポーターが誕生し、研究員の皆さんと共に、南葵音楽文庫の一層の理解や普及に活動を重ねています。

今週末には、和歌山で公開5年を記念したアカデミーが二日にわたり開催されます。まず、3月4日(土)11時からは、近藤秀樹さんのミニレクチャー「頼貞、カザルス、グラナドス~大西洋上のパブロ・カザルス後日談」、午後1時30分からは、奥中康人さんの講演「幕末維新期に和歌山における軍楽‐太鼓とラッパ」と、中川委紀子さんの講演「紀州徳川家根来寺復興‐重倫侯御寄進能面」。続く3月5日(日)11時からは、佐々木勉さんのミニレクチャー「南葵音楽文庫で学ぶ西洋音楽史 バロック期の音楽 組曲」。午後1時30分からは、鼎談「南葵音楽文庫からの温故知新」、奥中康人さん・江本英雄さん・林淑姫さんによる「和歌山の音楽史を発掘する:その試みと今後」、宮下直子さん・美山良夫さん・そして私も加わり「南葵音楽文庫を活かすみち」。会場はいずれも和歌山県立図書館2階講義・研修室、いずれも定員60名、無料です。ミニレクチャーは事前申込み不要です。問合せは、南葵音楽文庫閲覧室(073-436-9500)まで