縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

新しいホールの響・・・

とらふすクラシック・203
新しいホールの響・・・
写真は、このコラムの題字を手がけた書家・山﨑瀟さんに描いていただいたアート書「響」です。新しいホールの響をイメージし、17日の本コラム200回記念 Mah!和歌山県立図書館 音響改修お披露目&配信&支援コンサートで、満員のお客様をお迎えすることになっていました。残念ながら、紀北地域の感染症拡大予防から、開催中止と相成りました。

山﨑さんに、音楽を書で描いてもらうきっかけは、宮本静さんの「我が名は青洲」のレコーディングの時でした。医聖・華岡青洲の偉業を歌い上げた歌謡ですが、イメージがなかなかつかみ切れず、録音がすすまなかったのです。そんな時、山﨑さんの書を海南で偶然拝見し、「我が名は青洲」の題字をお願いしたのです。仮録音の楽曲を何度も聴いていただいて書き上げた題字をみながら録音に臨み、見事に歌いきることができたのでした。この時の題字は、後に発売されたCDのジャケットを飾ったことは言うまでもありません。そういうご縁から、「とらふすクラシック」の題字もお願いした次第です。

山﨑さんは、改修工事を終えた、新しいMah!(メディア・アート・ホール)の響きを体感された訳ではありませんが、何度もMah!でコンサートを聞かれていたことから、イメージを膨らませて描いていただいたのです。このアート書「響」は、しばらくはMah!の入口近くに展示されるそうです。

開催中止を決めた時には、出演予定の演奏者の皆様から、悲鳴に近い叫びが聞こえてきそうでしたが、それ以上に、演奏会という「希望」を残して欲しいという切なる思いが届きました。また同時に、公演をお待ちいただいた皆さまに、中止をお知らせする電話の窓口では「残念ですね、ぜひまた機会をもうけてください」「頑張ってください」と多くのエールをいただきました。そういう声を励みに、新しい企画で、新しい「響」をお届けする演奏会を創りたいと思っています。楽しみに、お待ちください!