縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

ホールの響きと一体となった音楽の感動を

とらふすクラシック217
ホールの響きと一体となった音楽の感動を
          LURU HALL 支配人 田口雄基
7月31日、音響改修工事を経て美しい響きへと生まれ変わったメディアアートホールにて「わかやま新報とらふすクラシック200回記念Mah!和歌山県立図書館音響改修お披露目&配信&支援コンサート」が好評のうちに無事催行されました。

コロナで一度は中止されたこのコンサートは、音楽を愛する多くの方の声にお応えする形で振替公演が実現しました。ご出演された音楽家の皆様、関係者、お客様方、ご尽力いただいた全ての方に感謝申し上げます。

ホールの響きと一体となった音楽の感動を離れた場所にお届けするべく、ホールの特等席に設置されたバイノーラルマイクから、クラシックコンサートの配信としてはおそらく世界初となるドイツの名門SCHOEPSマイクを搭載したバイノーラル録音によるライブ配信も同時に行われ、配信でも多くの方にご支援をいただきました。バイノーラル録音とは人の頭部を模したマネキン型のマイクによって録音する事で、人が生の耳で聞いているように、空間全体を立体的かつ緻密に再現できる録音技術です。

今回の配信で導入されたSCHOEPSはクラシック録音に特に定評のあるドイツ・カールスルーエの名門マイクメーカーで、近年のベルリン・フィルや、ロンドンのウィグモア・ホール、NHK交響楽団のレコーディングでも主力マイクとして採用されています。これを独自にカスタマイズしたバイノーラルマイクに搭載したことで、音楽のダイナミズムを繊細かつ緻密に、しっとりと密度の高い音で立体的に収録することができました。アーティストの皆様の素晴らしい演奏がホールの中で多奏的に響き渡る様が、天井の高さまで見えるかのようです。

アーカイブ配信は、8月7日まで視聴いただけますので、ぜひご自宅でもお楽しみください。(アーカイブ配信はアーティストの許諾を得たものが対象です)https://musicmart.zaiko.io/e/20210731Mah

田口雄基 プロフィール
1986年、岐阜県生まれ。MUSIC ENGINEER、空間録音家。2012年より、音楽の新しいカタチ、バイノーラル録音で時空を超え、繋がる歓びを追求するANIMA ―魂を繋ぐ音― 主宰。