縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

加太青少年国際交流センター

本日付け、わかやま新報、とらふすクラシック・99。
 加太青少年国際交流センター
    緑風舎 舎主 岡畑精記
堀米ゆず子さんは、日本を代表するヴァイオリニストとして欧州では広く知られています。山形の出身ですが、なぜか和歌山に惹かれ、緑風舎で演奏会をする度に高野山を訪れ、空海とバッハに思いをはせ、あるときは町のラーメン屋での会話を通じて和歌山を身近に感じていました。

数年前の夏の夕方、淡島神社の裏山にある加太少年自然の家を訪れ、淡路島に落ちる夕日の美しさに感銘して、いつかここで弦楽シニアーセミナーが開ければいいなと考えていたといいます。当時 堀米さんはイタリアと英国でセミナーを開いていて、いつか日本に広げたいと考え、それならば加太だと心に決められたそうです。

加太少年自然の家は、既に改築が決まり、青少年国際交流センターとして再出発をすることになっていました。堀米ゆず子さんは緑風舎演奏会の際に、尾花市長にイタリアでのセミナーの様子を話されました。小さな田舎の村が、村をあげて学生を歓迎し音楽交流している姿につ
よく感激され、尾花市長は加太でも音楽セミナーが開かれるように、できる限りの協力を約束されました。

新装なった国際交流センターは、練習室の防音レベルをあげるなど整えていただきました。そして尾花市長の構想に共感した篤志家がグランドピアノを寄贈され、1月13日、センターのホールに堀米ゆず子さんとピアノの津田裕也さんをお迎えし、ピアノ開きコンサートが開かれました。メインのお客様は加太小学校の生徒達です。モーツアルトのヴァイオリン・ソナタKV378など、いささか難しい選曲でしたが、子ども達はしっかりと聴いてくれました。

2020年1月、第一回堀米弦楽シニアーセミナーがいよいよ実現します。15名の大学院の学生達が東アジアからヨーロッパから加太に集まります。ことし10月開かれる「きのくに音楽祭」や弦楽セミナーなど和歌山はクラシック音楽の話題が一杯です。加太が日本の弦楽セミナー
のメッカになる日は遠くありません。

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プロフィール 岡畑精記
和歌山市野崎に建つ100席の音楽ホール・ 緑風舎 舎主。良質な室内楽のサロンコンサートの場として、年数回、自主企画の演奏会開催。