縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

キネティック ~3D音実感と映像の時間

とらふすクラシック・155。
キネティック ~3D音実感と映像の時間
        チェリスト デュプイ ロビン
f:id:Enka:20200514150637j:plain:w360:left音を見たくて生きてます。見えないものですが、感じたらいろんな気持ちになる不思議な力を持っていて、目で見えないのに確かに存在していて、生き物に影響する素晴らしいもので、いつも感動します。

高野山の富貴という村に住んでから、自然の音を深く感じるようになりました。自然ほど表現できませんが、その自然を楽器を通じて真似して、聞く方が自然の素晴らしさを思い出すような気持ちで演奏してます。耳で感じる音の世界がもし目で見えたら・・・

世の中は難しい所を乗り越えてる時ですが、新しい形のライブをお届け出来るのでワクワクしています。私の理想のライブは、一対一の形で、自然の中で演奏をしたいといつも思っています。今回はお客様一人一人自分の好きな所でゆっくりと聞く事ができるので、理想に近い形になって、嬉しいです。

和歌山で素晴らしい音を奏でる竹スピーカーを作る梅田さんのスピーカーを通して、音を届けるようになって光栄です。250年の木と馬の尾を引いた弓で、4本の金属の弦を踊らせる表現の可能性に挑戦します。

良く知られてる曲をアレンジした世界から、自作した音の世界に旅できる時間となります。チェロ以外にシュルティボックスやカリンバ、波紋、ウィンドキャッチャー、お水、レインスティックなども使いながら、身近な風景を使った自作の映像と共に届けます。

ルルホールのバイノーラルマイクで、3Dの音の世界を感じる事ができます。4本の竹スピーカーから伴奏のある曲を鳴らし、その前でチェロを弾いたり、小楽器で演奏したり、イヤホンを使って頂く事によって、その場にいるような臨場感が味わえます。希望として、心地良い環境で、好きな香りに包まれて、飲み物を楽しみながら、聴いて頂ければ幸いです。

この演奏会は、5月23日(土)20時30分から、無観客配信で行われます。詳しくは:https://luruhall.zaiko.io/e/luruhall20200523
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プロフィール
フ ラ ン ス の ストラ ス ブ ー ル 出身。パ リ の 名 門 音 楽 学 校 ス コ ラ・カ ント ルムでチェロを学ぶ。一度音楽を離れたが、来日後ポップスの世界で活躍。玉置浩二、久石 譲、矢沢永吉などと共演。チェロで、新たな音響の世界を探る。

南葵音楽文庫アカデミーのセミナー!

とらふすクラシック・154。
 南葵音楽文庫アカデミーのセミナー!

6月から、和歌山県立図書館を中心に開講される南葵音楽文庫アカデミーには、前回紹介したカレッジ(講座)と併行して、セミナー(演習)が開催されます。だれもが気軽に聴講できるカレッジと違って、セミナーは通年(全8回)参加可能な方が対象となり、聴講だけの参加はできません。

このセミナーは、南葵音楽文庫とその資料を基に、明治以降の紀州徳川と連なる人々が、いかに日本の文化に貢献してきたかを探り、またその実際にふれながら学ぶ演習です。原則、県立図書館内の南葵文庫閲覧室で行なわれます。大きな机を囲み、資料や文献に、時には手をふれながら進められます。予め、決められた課題について、各自が学習、セミナー当日は講師等が中心となり、質疑など交えて演習を行ないます。

スケジュールと各回の内容、担当講師(敬称略)は、6月14日:ガイダンス、7月12日:南葵音楽/南葵音楽文庫とその資料、関連する基本情報(担当:美山良夫)8月30日:徳川頼貞と喜多村進:和歌山県立博物館企画展に際し(担当:林淑姫)9月13日:資料の、見方、読み方、扱い方:カミングス文庫貴重資料を例に(担当:佐々木勉)10月11日:頼倫と頼貞:図書館人として(担当:林淑姫)11月8日:徳川頼貞とオルガン:南葵楽堂オルガン設置100年(担当:近藤秀樹)12月6日:大正期の関西音楽界(担当:塩津洋子)1月10日:セミナー履修生による報告・発表、3月7日:紀州徳川ゆかりの建築遺構:湊御殿、名草御殿(担当:中西重裕)

セミナーの定員は20名。受講料は無料ですが、、課題文献の用意や見学場所の入場料など、実費が要る場合があります。申込み多数の場合は抽選。お申込みは、近くの図書館もしくはWEBから、応募締切日は5月20日です。問い合わせは、県立図書館サービス課(073-436-9520)まで
https://www.lib.wakayama-c.ed.jp/nanki/

南葵音楽文庫アカデミーのカレッジ!

本日付け、わかやま新報、とらふすクラシック・153。
 南葵音楽文庫アカデミーのカレッジ!

和歌山県立図書館で6月から開講される南葵音楽文庫アカデミーでは、来年3月までにカレッジという講座が11回にわたり開講されます。写真のように、春夏秋冬の季節ごとに、金曜日、土曜日、日曜日と3つのコースで行なわれます。金曜カレッジと日曜カレッジは県立図書館を会場として開講、土曜カレッジは、新宮、橋本、田辺と各地で出前して開講されます。県下を縦断して行なわれる本アカデミーの中核となる講座です。

金曜カレッジは各回14時~16時、6月12日「稀有な収蔵 カミングスとスナール」(担当:佐々木勉、近藤秀樹)、9月11日「J.ホルマン:人、音楽とその魅力」(担当:美山良夫、林 裕)、12月4日「文庫の行方:失われた40年、だが…」(担当:松下鈞ほか)、3月5日
「熟覧と細見 資料が語るヒストリー」(担当:近藤秀樹、佐々木勉)。

土曜カレッジは各回13時30分~15時30分、6月13日は新宮で「佐藤春夫と音楽」(担当:美山良夫、林淑姫)、9月12日は橋本で「英国/アイルランドの風」(担当:守安功、守安雅子ほか)、12月5日は田辺で「人物論・徳川頼倫《ミカド》《ゲイシャ》《蝶々夫人》 :西洋から見た日本像」(担当:林淑姫、泉 健)。

日曜カレッジは各回10時~12時、6月14日「徳川頼貞を知る第一歩」(担当:美山良夫、泉 健)、9月13日「英国/アイルランドの風」(担当:守安功、守安雅子ほか)、12月6日「人物論・徳川頼倫/人物論・徳川頼貞」(担当:林淑姫ほか)、3月7日、この回のみ岩出開講「紀州徳川ゆかりの建築遺構」(担当:中西重裕)。

6月開講!南葵音楽文庫アカデミー

本日付け、わかやま新報、とらふすクラシック・152。
 6月開講!南葵音楽文庫アカデミー

本コラムの由来となった虎伏城~紀州徳川家ゆかりの「南葵音楽文庫」、世界に誇れるクラシックの音楽資料が和歌山に里帰りし、県立図書館等で公開が始まり3年がたちました。膨大な資料、約2万点の整備がこのほど完了し、記念の出版物が三点出版されるのにあわせて、6
月から、南葵音楽文庫アカデミーが開講されることになりました。

これまで、文庫の資料やコレクションを通じて、定期講座やミニレクチャーが数多く行なわれてきました。このアカデミーは、それらを集大成し、より深く、さらに広い視点から、明治以降の紀州の人々が果たしてきた数々の文化貢献を学び、今の和歌山に広め根付かせることを目指しています。

このアカデミーには、カレッジ(講義)とセミナー(演習)があります。カレッジは、春夏秋冬の季節ごと、来年3月までに8回、県立図書館で開講されます。教室での講義形式による講座で、各回ごとの聴講もできます。また、新宮、橋本、田辺、岩出の各会場で、出前のカレッジも開催されます。セミナーは、県立図書館にある南葵文庫閲覧室で、多くの文献や資料に囲まれながら行なわれます。課題を学習し、講師と共に演習します。従って年間通じて全8回を参加できる方が対象となり、聴講の参加はできません。

また、慶應義塾大学名誉教授の美山良夫先生はじめ講師の先生方は10名。研究者としての豊富な専門性に、わかり易いお話しぶりは、初心者でも気兼ねなく楽しめます。そこに、チェロ奏者やアイリッシュ音楽の演奏家も加わって、音楽講座ならではの贅沢な講師陣となっています。しかもすべて受講料は無料です。

4月14日から、申込み受付けが始まります。近くの図書館、もしくはWEBからダウンロードしてお申込ください。カレッジの定員は各60名、セミナーは20名です。問い合わせは、県立図書館(073-436-9520)までhttps://www.lib.wakayama-c.ed.jp/nanki/

臨場感あふれるホールの響きが・・・

本日付け、わかやま新報、とらふすクラシック・151。
    臨場感あふれるホールの響きが・・・

今、コロナ対応で注目を集めているコンサートやライブのリアルタイム動画配信。実は ” 和歌山ライブの歩き方” には、10年近い動画配信の歴史があるのです。2010年、日本でサービスの始まった動画共有サービス・Ustreamをいち早く導入。UstreamTVスタジオとして、数多くの和歌山のライブをリアルタイムで動画配信、クラシック、ジャズ、演歌、ポップス、ダンスなど多様なジャンルのステージにカメラを持ち込みました。

アーティストのツアーにも同行し、周参見や大地などから中継を行い、またスタジオからは月6本のレギュラー番組を定期配信、2011年には、第1回 関西USTREAM大賞にノミネートされ、動画のアーカイブは1100本を超えていました。2016年にUstreamのサービスが終了し、それ以降はYouTubeによるLURUHALLのトークステージを配信する”カフェTV”3本を定期番組として続けてきました。

そしてこの3月、設備を一新、日本初のバイノーラル録音による高品質のリアルタイム配信を始めました。バイノーラルは、人間の頭部の音響効果を再現するダミーヘッドなどを活用し、鼓膜に届く状態で音を記録します。パソコンやスマホのイヤホンで聴くと、あたかも会場に居るかのような臨場感あふれる演奏を楽しめるのです。

この新方式により、3月24日、矢倉愛のオペラ・カフェTV13が行われました。ソプラノの矢倉愛さんとピアノの森下美和さんが、ヴェルディプッチーニのオペラ・アリアなどを生歌と楽しいお喋りで綴る番組です。響きの良いLURUHALLの中でも一番のスポットから届けられるソプラノの歌声や、スタンウエイピアノの音色で、新しいコンサートの楽しみ方を少しでも体感されたことと思います。そしてこの日のアーカイブ(録画)は、YouTubeのLURU HALLチャンネルで無料で視聴できるようになっています。是非一度ご覧いただければと思います。

無観客!ライブ動画配信コンサート

本日付け、わかやま新報、とらふすクラシック・150。
 無観客!ライブ動画配信コンサート

和歌山はもちろん、各地で演奏会の中止や延期が相次いでいますが、こういう中でも奮闘するアーティストたちの演奏を聴けるチャンスが、数多くつくられています。無観客公演として開催され、インターネットによりライブの動画配信がされているのです。

3月7日には、制作費1億6千万円というワーグナーの大作オペラ「神々の黄昏」が、新型コロナウイルスの影響で無観客無料YouTubeライブストリーミング配信(アーカイブ無し)でびわ湖ホールから行われ、12000人以上のリアルタイム視聴者を集め話題となりました。ド
イツ語上演・字幕なしでしたが、自宅のパソコンのまえでゆったりと楽しまれた方も多かったようです。

今日(3月19日)も19時から、大阪フィルハーモニー交響楽団の第536回定期演奏会の無観客公演ライブ動画配信が、大阪フェスティバルホールから行われます。視聴リンクは(https://www.osaka-phil.com)。出演は、井上道義(指揮)、アイレン・プリッチン(ヴァイオリン)。プログラムは、ハイドン交響曲第2番 ハ長調モーツァルト交響曲第5番 変ロ長調 K.22、ストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲 ニ長調バレエ音楽春の祭典」。この公演の模様はアーカイブ配信も予定されてます(配信期間は未定)。

また、ヨーロッパでは、ベルリン・フィルハーモニーが4月19日まで観客を入れたコンサートの開催を取りやめています。先日、サー・サイモン・ラトルとの演奏会を無観客で実施し、デジタル・コンサートホールにてリアルタイムライブ配信が行われました。ここ10年間、先駆的な取り組みを続けてきたベルリンフィルハーモニーの「デジタル・コンサートホール」には、多くの演奏会のアーカイブが残されています。今、それらが3月31日まで、期間限定で無料開放されています。ネットでクラシック音楽会をお楽しみいただくいい機会かもしれません。

テノールとソプラノで贈る楽しい歌世界!

とらふすクラシック・149。
 テノールとソプラノで贈る楽しい歌世界!
       テノール歌手 井澤 章典
私のライフワークは、現在生きているクラシック作曲家の作品を取り上げ、次世代に繋いでいく。クラシックが高尚なだけではなく、娯楽なのだと周知する。日本語の歌の素晴らしさを伝える。

この三点です。四季を感じられたり、恋した時の高揚感、恋人に裏切られた時の殺意にも似た嫌悪感、家族の団欒の温度や色を感じたり、戦争の恐怖や悲しさを伝えたり、自分自身が風になれたり。クラシックの歌曲にはそんなものを微細に伝える能力があります。外国語であってもわかるように説明しながら進めていく演奏会。「わかりやすいうた」と題して続ける企画です。

クラシックは決して難しくはありません。勉強しなくても楽しめます。しかし、知識が入るとより楽しめるようになると確信しています。そのお手伝いができる企画だと思っています。今回は私一人ではなく、一緒に勉強している仲間たちとやります。ソプラノ、メゾソプラノテノール二人、ピアニスト二人の六人でお送りします。イタリアの熱いオペラやドイツのしなやかな歌曲、そして美しい日本の歌など様々な名曲を取り上げます。

今、舞台芸術は歴史上最大の危機に瀕しています。今までも戦争や差別や貧困によって何度も危機は訪れました。しかし今回は民衆の大半がその状態に賛同しているかに見えます。それで本当にいいのでしょうか。 芸術というのは、思った以上に簡単に途絶えてしまいます。現状、その流れが出来つつあるのを危惧しています。そして一番私が危惧しているのは、上演の中止が続いていることではありません。「中止になるかもしれない」と思いながら進める作品の品質の低下。それが一番怖いのです。だから、この公演は必ずやり遂げたいと思っています。

お客様のマスク着用、アルコールでの清掃、開演前、休憩での換気などを徹底して、お迎えする準備をします。必ずこの本番はやります。3月29日(日)14時~皆さんどうぞお越し下さい。

井澤 章典 プロフィール
大阪芸術大学芸術学部演奏学科声楽コース卒業。声楽部門首席。神戸市混声合唱団団員。D&DEPARTMENT LABEL所属。