わかやま新報
とらふすクラシック・386
和太鼓 ソロコンサート
一本打ち 和太鼓奏者 原啓司
新年あけましておめでとうございます。音楽のジャンルの中で言えば、和太鼓は、一般的には邦楽のジャンルに当てはまります。一口に和太鼓といっても様々で、プロの演奏家から演奏グループ、地方の伝統を継承している団体、町おこしが目的の郷土芸能団体、カルチャースクールの形で余暇を利用して演奏を楽しんでいる方々、高校や大学の和太鼓部・サークルと幅広く広がっています。
プロの演奏家やグループによるエンターテイメントとしての舞台表現だけでなく、和太鼓がこのような広がりを見せる背景には、身体運動を伴いながら高揚感や一体感を感じることができるからでしょう。いずれにせよ和太鼓にはそれだけの魅力があるということなのでしょう。
さて、ここでご紹介するのは、そんな和太鼓のソロによる演奏会「一本打ち」です。大太鼓を一人で叩くことをよく「一本打ち」といいます。そこからとったのがこの公演名です。
和歌山県御坊市在住の和太鼓奏者原啓司が六台の和太鼓を使って演奏します。最も大きいのは鼓面の直径が三尺(約90センチ)の平胴太鼓。他にもドラムセットのように並べての演奏や肩から担いで動きながら演奏するなど多彩な演奏形態で見せる要素も多くあります。そして何より、その演奏曲のほとんどが即興。一人での演奏故にテンポやリズム構成も自由です。ノッテくると盛り上がりますが、逆に失敗という危うさとも背中合わせになります。そんなワクワクドキドキのスリルを味わいながらの演奏が今回のテーマ。楽しくも緊張舞台になるでしょう。
この公演は、令和7年2月2日(日)午後1時30分より、会場は和歌浦アートキューブ。前売りチケットは、一般:2千円、学生:千円(当日それぞれ5百円増)、未就学児は無料です。節分の日になります。季節が冬から春に変わります。神社で打ち鳴らされる和太鼓のように新しい年明けに福を呼び込む和太鼓の響きを楽しんでいただければと思っています。
プロフィール 原啓司
1963年和歌山県御坊市生まれ。御坊市を拠点に活動する天音太鼓保存会で和太鼓を始め、同会より独立。ソロの和太鼓奏者として活動。ゴスペル、クラシックバレエ、フラメンコ、ジャンベ、書家などとのコラボレーションにも定評がある。