わかやま新報
とらふすクラシック・366
暑い熱い夏、世界は、スポーツを通した人間育成と世界平和を究極の目的とした “オリンピック” に燃えていた。そして、私は今まさに、燃えています!ポーランド出身の作曲家、生涯において、他国の侵略を受けた祖国への思いを掲げ、常に持病と闘いながら、祖国の平和を願い音楽に祈りを込めた “ショパン” に燃えています。
といいますのも、来月、オール ショパン プログラムの「宮井愛子ピアノリサイタル My favorite Chopin 〜絶望の闇と一筋の光〜」を開催させていただくからです。ショパン39年の生涯、後半生の大半をフランスで過ごした彼の、消えることのない望郷への思いは、 “心臓だけはポーランドへ” との遺言になり、遺体はパリの墓地に埋葬されましたが、心臓だけは、ワルシャワの聖十字架教会の柱の中で、今も眠っています。
故郷を支配する列強への反発心が強く、作曲家で音楽評論家でもあったシューマンからは、「美しい花畑の中に大砲が隠されている音楽」と評されたそうです。病で実際には戦えない分、音楽で想いを発信し、また美を追求し続け、素晴らしい曲をたくさん残しています。ショパンの才能はもちろんですが、ショパンの病状が一段と思わしくない時期、恋人ジョルジュ・サンドが献身的な母性愛で支えた約10年は、特に大傑作を残すことができたとも言えます。
私自身は、 “故郷和歌山” で応援くださる方々に育てていただき、ご来場下さる皆様方に支えられ、頑張れていると感謝しています。作曲数250曲以上のうち約230曲がピアノ曲、ピアノの詩人と呼ばれるショパンの、平和への熱い思いと祈りを、全力で演奏しますので、ご来場いただき、応援よろしくお願いします!
この演奏会は、9月16日(月曜祝日)午後2時開演。会場は、和歌山城ホール・小ホール。全席指定席で、一般2千円、大学生以下1千円。チケット取り扱いは、同ホール(073-432-1212)。学生券は、musica.a.an.office@gmail.comまで。
宮井愛子
和歌山市生まれ。京都市立芸術大学音楽学部ピアノ専攻卒業。FUGA国際音楽コンクール金賞、アーティスト部門・ピアノ部門、各最優秀賞。和歌山市文化奨励賞、アゼリア賞受賞。和歌山市民オペラ協会会員。