とらふすクラシック・214
ふるさと、和歌山での初コンサート
ソプラノ 神保智
私にとって初めてのコンサートが、ふるさと和歌山のルルホールで開催できたことをとても嬉しく思います。小学生の頃、和歌山児童合唱団で歌っていましたが、歌う楽しさが忘れられず、ずいぶん大人になってから声楽として歌を再開。大人になってから人前で歌うというのは恥ずかしさが勝り、何度も失敗をくり返していますが、音楽を通しての出会いや経験は私の大切な宝物になっています。
新型コロナウイルスの影響で仕事先の香港から和歌山に帰ってきていたことが、今回のコンサート開催につながりました。コロナ前から社会的に不安定な状況が続く香港では、各分野でオンライン化が整備され、コロナが抑えられている現在もオフラインとオンライン並行のイベント開催が主流になってきています。一方で、小規模コンサートの中止や合唱団の練習などは延期が続き、オンラインでは越えられない壁が依然としてあります。それでもSNSなどで届いてくる、友人たちが奏でる音楽。コロナ初期の混乱の中にあった中国で、現在再拡大する東南アジアで、困難な時ほど音楽が演奏されていることに気付きました。
今回のコンサートは3曲と少ないのですが、自分にできる全てを注ぎ各曲を作ったつもりです。和歌山在住でご活躍のピアニスト、宮井愛子さんの素晴らしいピアノ伴奏でお楽しみください。また、曲の内容に合わせた3着の衣装は、いずれも私の母、KIYOKO.J代表、神保紀代子の作品です。多くの皆様のお力を借り、こ開催に至ったことを心から御礼申し上げます。6月13日に収録しましたプログラムは、ブラームス作曲のドイツ歌曲集「四つの歌」より「永遠の愛」、ドヴォルザーク作曲のチェコ語のオペラ「ルサルカ」より「月に寄せる歌」、マスネ作曲のフランス語のオペラ「エロディアード」より「彼は優しく、美しい」。QRコードと次のURLで無料配信中です。https://youtu.be/2QgtCoFAlVQ
ソプラノ 神保智(じんぼ ちえ)
和歌山市出身。トリニティカレッジロンドン、シンギング・パフォーマンス、ミュージックディプロマ(ATCL)取得。峯島望美氏に師事。