縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

冬に想ふ~ロシア歌曲 徳川頼貞とプロコフィエフ

わかやま新報 
とらふすクラシック・333。
冬に想ふ~ロシア歌曲
徳川頼貞プロコフィエフ
徳川頼貞候と交友があったプロコフィエフは20世紀のロシアの大作曲家で、もっともよく知られている作品は「ピーターとおおかみ」でしょう。この作品は朗読と管弦楽による音楽劇、物語があり、親しみやすく、 叙情的で温かみがあり、同時に現代的で、しばしばユーモラスで風刺がきいています。プロコフィエフの音楽の主だった特徴はすべてこの曲に含まれ、今回の演奏曲目にも次々と顔を出してきます。(「ピーターとおおかみ」は演奏されませんが)

まず、歌曲「みにくいあひるの子」。原作はアンデルセンの有名な童話で、プロコフィエフはこれを少し長めの歌曲にしています。「あひるの子」を見舞う過酷な運命や物語のさまざまな場面を生き生きと描きだし、テンポや気分が細かく変化し、映画を観ているような盛り上りを見せます。この歌曲を歌うのは、ソプラノの藤原さおりさん。大阪教育大学教養学科芸術専攻音楽コースピアノ科卒業、京都市立芸術大学音楽学部声楽専攻を卒業され、ロシアに渡りロシア国立チャイコフスキー記念モスクワ音楽院大学院独唱科を修了。モスクワでも多くの演奏会に出演されています。宮下直子さんのピアノ伴奏で、スライドショーと共にロシア語でお届けします。スクリーンには、イラストと日本語対訳が表示され、歌曲「みにくいあひるの子」を堪能していただけます。そして、プロコフィエフが編曲した「ロシア民謡集」や南葵音楽文庫所蔵「ホルマンコレクション」より発掘された「ロシア民謡」、 有名な「黒い瞳」と続きます。

さらに、バレエ「ロメオとジュリエット」ピアノのための10の小品より2曲が、宮下直子さんのピアノで。バレエ「シンデレラ」より"アダージョ"、チェロソナタハ長調が、林裕さんのチェロと宮下さんのピアノで演奏されます。

歌曲と器楽曲で、プロコフィエフの叙情的な温かさや親しみやすさを感じる”冬に想ふ”コンサート。南葵音楽文庫研究員の近藤秀樹さんのお話付で、今週の土曜日、県立図書館メディア・アート・ホールで開催されます。