とらふすクラシック・303。
紀伊國のスピーカーはどんな音を奏でるのか?
紀州ウッドスピーカープロジェクト主宰 早出 正
「木の薄片を柱状に曲げてここに振動を加えると楽器に近い音がでる」というアイディアは昔から共有されていて、バルサ材を使ってこのアイディアを試行した人もいます。レコードは若い頃から集めたものが4000枚ほどある。プレーヤーは寺垣さんが設計しエプソンが商品化した貴重なものがあるし、アンプは既に技術的には成熟していてデノンのものがある。たくさん溜め込んだレコードで「おまけの人生」の時間を楽しむためにはスピーカーの開発が必要だ!
山本さんという木工店の社長さんが「紀伊國をプロモートするためであれば」と言って最大限のサポートしてくれることになる。「木の振動板」を使ったスピーカーで一番に問題になったのは1.5mmのヒノキの板を作ること。最初は自分でと思って電気カンナを買って試してみるがうまくいかない。仕方がないので山本さんに頼んでみたら、やってみるよと言って作ってくれた。薄い板を柱状に曲げてここに振動を加えることは思っていた以上にすんなりとできた。しかも「音」も良い。まるで、そこで誰かがピアノを弾いている様な!バイオリンが弾かれているような!ヒノキの音は 室内楽に合いそうだし、スギの音はジャズっぽい。
3年掛で特許も取れた。特許を取るということは大切で、自分が権利を持つ以外にこの技術は他人の真似では無いよという証明にもなる。そして、スピーカーの前面に「木の桟」で作ったスクリーンを付けました。中も見えるしスピーカーユニットを保護することもでき、デザインも良い。これは意匠登録をすることができました。
紀伊國のスピーカーがどんな音を奏でるのか? 明日の19日(金)から21日(日)までの3日間、午前9時~午後6時(初日は正午から)まで、和歌山市狐島の「SOGUCAFE」で紀州ウッドスピーカーの体験会を開きます。参加は無料(要飲食)、予約も不要です。木の振動が奏でる音楽を聞いて頂いて率直な感想をお聞かせください。開発者として、全日とも在廊しています。
早出 正:プロフィール
長野県諏訪郡生まれ。時計製造30年、会社経営10年、海外在住20年を経て、現在、南紀白浜にて「オマケの人生」満喫中。紀州ウッドスピーカープロジェクト主宰。