縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

和歌山城ホールのポテンシャル

とらふすクラシック・246
和歌山城ホールのポテンシャル
  指揮者・プロデューサー、グッドゴー代表 宮崎優也
「ホール」って聞くとどんなイメージを持ちますか?音楽、演劇、舞踊などの舞台芸術に慣れ親しんだ方々にとっては良く足を運ぶ所かもしれません。それ以外の方々にしてみたらちょっと敷居が高いって印象になるかもしれません。

私は主にオペラの指揮者・プロデューサーとして国内外で活動をしています。仕事でヨーロッパに行くと思うのですが、どこの都市にも劇場があり街のシンボル的な存在になっていること。それはただ単に色々なイベントやコンサートが開催される場所ではなく、街の人々の憩いの場として役割であること。何かを観劇する場所でだけでなく、コミュニティの精神的な“ハブ”のような存在なのかもしれません。

2021年10月にオープンした和歌山城ホールは素晴らしい音響と設備のホールであると共に、和歌山市民にとっての“憩いの場”に成長していきます。和歌山のシンボルである「和歌山城」を望むロケーション、建物を入ると紀州産木材を用いたアットホームな雰囲気のエントランス。厳かな静寂に包まれるような劇場の雰囲気とは違い、街の人々がつい立ち寄ってしまうような親しみやすい場所だと思います。設備面でもオーケストラピットを備える大ホール、音響の素晴らしい小ホール、他にも様々な目的に対応出来る施設がたくさんあり、関西圏でもっとも使い勝手の良いホールだと思います。更に魅力的なのが、誰もが気軽に入れる緑豊かなガーデンテラスだと思います。誰でも気兼ねなく足を運べる公園がホールの屋上にあり、そこで文化芸術に気軽に触れる機会を作るためのステージがある。これからアートやエンタメを普及されるコミュニティでこの仕掛けは素晴らしいです。

大阪や関空からのアクセスが良い和歌山。そんな場所を文化芸術やエンタメを用いて市民が一緒に盛り上げていく。人と文化を掛け合わせて新しい未来を切り開く、そんな“ハブ”として成長する「和歌山城ホール」はこれからが楽しみです。