縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

第一回「きのくに音楽祭」を終えて

本日付け、わかやま新報、とらふすクラシック・129。
 第一回「きのくに音楽祭」を終えて
   きのくに音楽祭実行委員長 髙橋巧二
「和歌山にはなぜ音楽祭がないのか」との思いから、和歌山県立図書館メディア・アート・ホールに集う音楽家や音楽愛好家が集まり実行委員会を立ち上げたのが2年前。ようやくこの10月3日から6日までの4日間、同ホールをメイン会場に、和歌山市内で大小16のステージで、様々なジャンルの音楽を楽しんで頂ける和歌山で初の本格的な音楽祭「きのくに音楽祭2019」を、好天にも恵まれて開催する事ができました。

ところで音楽祭の良さとは何でしょうか。私は「ステージと客席の距離を縮める」ことではないかと思います。普段お客様にとって演奏家はとても遠い存在に感じていませんか?特にクラシックや邦楽などでは。でも決してそんなことはないのです。演奏家の練習秘話や失敗談は面白いですし、曲の時代背景などを教えてもらいながら聴くと、さらに演奏家や音楽を身近に感じ、今までとは違う角度からコンサートを楽しめます。

きのくに音楽祭では、客席から自然にスタンディングオベーションや手拍子が沸き起こり、終演後にはロビーでお客様と演奏家との交流がされる等、今までになくステージと客席の一体感を感じさせる演奏会となりました。さらに、今回は多くの和歌山県出身の演奏家の方々にご出演頂き、お客様も和歌山県出身演奏家の多さに驚き、また演奏家同士も同郷の演奏家として新しい交流が生まれる等、お客様も演奏家も「和歌山の音楽文化の奥行きの広さ」を再発見する事が出来ました。これも音楽祭の持つ大きな力の一つです。

最後に、音楽祭開催に当たり苦労したのはやはり資金集めでした。特に第一回目でまだ実績の無い団体でしたから。にもかかわらず14社もの企業様が快くご協賛して頂きました。また、多くの演奏家の方にご協力とご出演をして頂き、多くのボランティアの方がスタッフとし
て舞台裏の運営を支えて頂きました。紙面をお借りしまして心より厚く御礼申し上げます。有難うございました。
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プロフィール 髙橋巧二
和歌山大学在学中に和大交響楽団和歌山市交響楽団に在籍。現在、和歌山市交響楽団理事、関西トランペット協会会員、アマチュアトランペット奏者、第一回きのくに音楽祭実行委員長