縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

きのくに音楽祭プレコンサート

とらふすクラシック・113。
 きのくに音楽祭プレコンサート
      ピアニスト 千田和美
和歌山という土地には、いわゆる「音楽祭」が存在しなかった。和歌山以外の多くの他府県には何らかの形の「音楽祭」が存在するにも関わらず。どうして無いのか?いつも残念な思いで県外の音楽祭に行っていた。それがとうとう今年の10月4日から6日の3日間、和歌山初の音楽祭「きのくに音楽祭」が和歌山市にて開催されることとなった。私たち音楽家にとって、そして音楽祭実行委員にとって、これほど嬉しく心がワクワクと弾むことはない。

さて。和歌山市の中心地である本町。その一角にある「フォルテワジマ」にて、「きのくに音楽祭」のプレコンサートが4月から毎月開催されている。今月6月22日(土)で3回目となるが、お陰さまで毎月たくさんの方々にお越しいただき、心地良い音楽に包まれながら、開催まで数ヶ月となった音楽祭を応援していただいている。

毎回様々な楽器でのコンサートが催されるが、今回は私のピアノと池原さんのヴァイオリンのデュオ。プログラムはブラームスソナタ第2番とフランクのソナタという名曲中の名曲を選んだ。一見堅苦しく思うプログラムだが、場所は気軽に行ける和歌山市本町。しかも「フォルテワジマ」の4階エレベーターホールの吹き抜けのスペースだ。まさに「気軽に」「買い物のついでに」寄っていただける場所である。「買い物ついでにふらっと寄ってみたら、そこに流れるヴァイオリンとピアノの音にいつしか吸い込まれ、引き込まれて、気がついたらコンサートは終わっていた…」と言っていただけるのを期待しつつ、私たちは日々練習と合わせに励んでいる。この言葉ほど、私たち音楽家にとって本望で、かつ嬉しいものはない。

和歌山の方々に「気軽に音楽を楽しんでもらいたい」との思いから端を発した「きのくに音楽祭」。そしてそのプレコンサートであるフォルテワジマでのコンサート。まずはぜひこのプレコンサートで、お気軽に「音楽祭の実体験」していただきたい。

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千田和美
桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学卒業。インディアナ大学音楽学部大学院パフォーマー・ディプロマコース修了。全日本ピアノ指導者協会正会員。きのくに音楽祭2019実行委員。