縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

夏の夜風に 英国の音色(ねいろ)を

夏の夜風に 英国の音色(ねいろ)を
      古楽ソプラノ 谷野裕子

イギリスの作曲家と言えば、みなさんは誰を思い浮かべますか?ヘンデルブリテンあたり?バード、ダウランドなんて名前を思い出した方は、なかなかマニアック?! 「実はドイツ人」のヘンデルなど、外国出身の作曲家の活躍が盛んだったイギリス。音楽「消費」国であったのか、生え抜きの作曲家の活躍はあまり目立っておりません。
そのヘンデルより少し前の時代、ヘンリー・パーセル(Henry Purcell 1659~95)の名を耳にされたことはおありでしょうか? 36歳の短い生涯ながら、歌曲・器楽曲含めたくさんの作品を残した、イギリスバロック界でひときわ輝く星。彼が今少し長生きしていたら、イギリスの音楽史は、また少し違ったものになっていたかもしれません。
ロンドンに留学した紀州徳川家16代当主の徳川頼貞候が莫大な私財を投じた楽譜などの音楽コレクションの南葵音楽文庫は、先ごろ和歌山県立図書館に寄託され、毎週土曜11時より図書館内の南葵音楽文庫閲覧室で無料のミニレクチャーが行われるなど、その全容が徐々に明らかになってきています。そして、パーセルの作品全集や関連文献は、南葵音楽文庫の中の、カミングス・コレクションの中に、数多く収められています。
聖歌隊出身で、作曲家であると同時に歌もうまかったと言われているパーセル。口ずさむように数々の美しいメロディを、紡ぎ出していたのでしょうか。時に激しく、時に懐かしく、時に荘厳な、バラエティあふれるパーセルの世界を、和歌山県立図書館南葵音楽文庫研究員の佐々木勉先生のお話しとともにお届けします。この歌とオルガンによる演奏会「夏の夜風に英国の音色を」は、来週の8月23日(木)19時から、和歌山ルーテル教会(和歌山市秋葉町)で開催されます。「和歌山の新しき宝〜南葵音楽文庫」の中の「イギリスの古き宝〜パーセル」の魅力を、ぜひお楽しみください。学生券もご用意しています。

谷野裕子 ソプラノ 大阪大学工学部卒業。桐蔭高校音楽部、大阪大学混声合唱団などを経て、現在、テレマン室内合唱団、森の宮ライゼコール所属。和歌山市出身。西宮市在住。和歌山バロック会員。
 

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