縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

きのくに発掘コンサート〜南葵音楽文庫に光を当てて

本日付け、わかやま新報、とらふすクラシック・125。
 きのくに発掘コンサート〜南葵音楽文庫に光を当てて
とらふすクラッシックという本コラムは、紀州徳川家ゆかりの音楽資料、南葵音楽文庫が、和歌山に里帰りし、和歌山県立図書館で、公開されたことから始まっています。そして、同じ頃立ち上がった、和歌山で初めてのクラシック音楽祭、きのくに音楽祭とのコラボレーションが、非常に楽しみでした。

10月のきのくに音楽祭では、メイン会場での四つのコンサートのトップを切って、コラボレーションの演奏会「きのくに発掘コンサート〜南葵音楽文庫に光を当てて〜」が行われます。紀州徳川家第16代当主徳川頼貞公が、英国ケンブリッジ大学での音楽留学を経て、莫大な私財を投じて収集した南葵音楽文庫。その中に、頼貞公と親交の深かった名チェリスト、ジョゼフ・ホルマンのコレクションが、数多く残されています。

「楽譜は音として再現してこそ文化遺産」と、チェリストが作曲した楽曲を、発掘して、世に出していくのが、ライフワークと語るチェロの林 裕さんが、県立図書館に通い、膨大なホルマン・コレクションから、掘り起こした楽曲を演奏します。世界初演かもしれない演奏会には、とてもワクワクします。紀州の殿様が遺した楽譜が、和歌山でよみがえるのですから。驚いたことに、海がお好きな林さんは、中紀の海岸沿いにもお住まいで、時々和歌山県人になられるという・・なんというご縁でしょう!

林さんは、東京藝術大学卒。日本音楽コンクール第一位、黒柳賞を受賞。奨学生として、フライブルク音楽大学院を首席修了。青山音楽賞、文化庁芸術祭優秀賞など数多くの受賞を経て、多様な活動を重ねています。また、アルバムはレコード芸術の特選を獲得しています。

この演奏会は、発掘曲に加えて、カザルスの「鳥の歌」やサンサンース「白鳥」などチェロの名曲たちも楽しめます。10月4日(金)13時30分から、和歌山県立図書館メディア・アート・ホール、入場料は1500円。問合せは同ホールまで(073−436−9530)