縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

フォルテピアノ広場 フレンドリーなクラシックを奏でる

わかやま新報
とらふすクラシック・336

フォルテピアノ広場
フレンドリーなクラシックを奏でる

新しい年を迎えました。本年もよろしくお願い申し上げます。和歌山市中心市街地・ぶらくり丁のフォルテワジマ4Fで開催されるフォルテピアノ広場は、今年も変わらずに続きます。この広場のピアノは、世界三大ピアノのひとつといわれるベーゼンドルファー、”ウィーンの至宝”といわれる名器です。その音色に乗せて、クラシックはもちろんジャズやポップスなどジャンルにとらわれない演奏会が行われます。

クラシックは、原則として年6回・奇数月の第三土曜に行われます。今年初めてのクラシックは、兼子万実子さんの「フレンドリーなクラシックを奏でる」。今回は、サキソフォン奏者の神谷真理子さんをゲストに迎え、お二人で楽しく奏でます。兼子さんは、相愛大学音楽学部器楽科ピアノ専攻卒業。同大学研究科修了。 関西フィル、大阪シンフォニカ(現・大阪交響楽団)等との協演や、PTNA、東京ピアノコンクール等入選・入賞され、最近ではテレビ和歌山「澤和樹ふるさと心のうた」の出演でお馴染みです。また、神谷さんは、徳島文理大学音楽学部卒業。同大学専攻科修了。徳島及び四国音楽コンクール入賞。卒業演奏会・新人演奏会を経て地道に演奏活動を続けています。

プログラムは、バッハ:イギリス組曲より「プレリュード」に、ドビッシー「月の光」、リスト「愛の夢」「ラ・カンパネラ」などピアノの名曲ばかり、またサキソフォン独奏も楽しみで、あっという間の1時間となりそうです。

この演奏会は、1月20日(土)午後2時から、フォルテワジマ4F・ピアノ広場、観覧無料、予約も要りません。どなたでも気軽に、いろんな音楽を楽しめるストリートピアノとして、お買い物客に愛されています。7Fのグルメ街で食事し、演奏を楽しんだ後は、地下の天然温泉「ふくろうの湯」で温まり、癒されるのも、この時季いいかもしれません。問い合わせ先:フォルテワジマ073-488-1900。
公式ページ:https://www.forte-wajima.com/277

ニューイヤー・コンサート2024~音楽の都ウィーンから~

わかやま新報 
とらふすクラシック・335。
ニューイヤー・コンサート2024
   ~音楽の都ウィーンから~

いろんなことのあった今年もあとわずか、まもなく新年、2024年を迎えます。そして新しい年の元旦、午後7時から、音楽の都ウィーン・黄金の楽友協会ホールで、恒例のニューイヤー・コンサート2024が開催されます。 演奏は、もちろんウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(以下 ウィーン・フィル)です。

このコンサートは、テレビ中継により、現在では世界の90か国以上に配信されているクラシック音楽最大のイベント。シュトラウス一家のワルツやポルカが演奏され、陽気なリズム、意匠を凝らしたアレンジ・フラワー、さらに華麗なバレエなどと共に、画面を通して ウィーンらしさを堪能することができます。

2024年の指揮者は、クリスティアンティーレマン。1959年、ドイツ・ベルリン生まれ。2012年から、ドレスデン国立管弦楽団首席指揮者を務め、ウィーン・フィルとの共演も多く、ニューイヤーコンサートは、19年に続き2回目の出演となります。コロナ禍の中、ウィーン・フィルブルックナー交響曲全曲録音を行い、今回、生誕200年を迎えるブルックナーの作品をニューイヤーコンサート史上初めて演奏します。信じられないような選曲に、期待がたかまります。

プログラム全15曲のうち、ブルックナーの作品を含めて9曲が初登場。そのうちの一つ、シュトラウス2世のフランス風ポルカフィガロポルカ」は、パリの新聞「フィガロ」編集長に献呈された曲ですから、パリ・オリンピックを祝しているのかも知れません。「ラデツキー行進曲」などの定番のアンコールも予定され、例年どうりの華やかに開催されるでしょう。

お正月のひととき、ウィーン楽友協会「黄金のホール」から極上の音楽で新年を迎えましょう!

写真は、筆者がスマホで撮ったニューイヤー・コンサート2017の1枚。指揮者は若きグスターボ・ドゥダメルさん、コンサートマスターは、和歌山県立図書館メディア・アート・ホールで演奏されたこともあるライナー・ホーネックさんです。

第2回まちかどコンサート 〜おとぎの国への招待状〜

わかやま新報
とらふすクラシック・334。
第2回まちかどコンサート
  〜おとぎの国への招待状〜
   一般社団法人和歌山フィルハーモニー管弦楽団
             理事・事務局長 小西 基
和歌山フィルハーモニー管弦楽団は、まもなく創立2周年を迎えます。これまでに主催した2回のファミリーコンサート、1回のまちかどコンサートでは大変多くのお客様と楽しい音楽の時間を過ごすことができました。そして5月と9月には依頼公演のお話も頂きました。これからも皆様に愛されるオーケストラを目指して活動を続けていきます。

さて来年、2024年1月8日(日)午後2時より、和歌山城ホール展示室にて、第2回まちかどコンサート〜おとぎの国への招待状〜を開催します。本公演も0歳のお子さまからご入場頂く事ができ、クラシック音楽に馴染みのないお客様にも、本格的な室内楽に触れて頂けるようにいくつかの演出を準備しています。

歌劇「ヘンゼルとグレーテル」では、絵本を投影し、木管五重奏による演奏に加えて、紀の川市出身のメゾソプラノ歌手・阪上真知子氏の独唱とおはなし付きで上演します。さらに工作ワークショップで制作した自分だけの楽器を使ってお客様を物語の中にお誘いします。

公演の脚本は、和歌山フィルハーモニー管弦楽団フルート奏者で、令和5年度橋本市文化功労賞を受賞された森本英希氏が担当。こどもから大人まで、会場を夢中にする森本氏の脚本は、第1回まちかどコンサートでも大変好評でした。ぜひ小さなお子さまもご家族と一緒にお楽しみ頂けたらと思っています。お一人でも、ご家族でも、グループでもお越しください。

和歌山フィルは、未来を担う子どもたちに最高の音楽経験を提供すること、和歌山の若手音楽家に成長と活躍の場をともに創造すること、クラシック音楽の魅力を和歌山県内に発信することを目的に活動を行っています。来年8月にはシンフォニックコンサート#me timeとして、新しい企画がスタートします。また若手音楽家との共演の機会も計画しています。来年も和歌山フィルの活動にご期待頂き、ホールへ足をお運び下さいますと幸いです。
問合せ:wakayamaphil@gmail.com

プロフィール
神奈川県出身。’09年東北大学大学院工学研究科博士課程前期修了。同年和歌山市内企業へ就職。和歌山市交響楽団での演奏活動を経て、ensemble*familiar*代表。劇団と舞台共同制作など精力的に活動。

冬に想ふ~ロシア歌曲 徳川頼貞とプロコフィエフ

わかやま新報 
とらふすクラシック・333。
冬に想ふ~ロシア歌曲
徳川頼貞プロコフィエフ
徳川頼貞候と交友があったプロコフィエフは20世紀のロシアの大作曲家で、もっともよく知られている作品は「ピーターとおおかみ」でしょう。この作品は朗読と管弦楽による音楽劇、物語があり、親しみやすく、 叙情的で温かみがあり、同時に現代的で、しばしばユーモラスで風刺がきいています。プロコフィエフの音楽の主だった特徴はすべてこの曲に含まれ、今回の演奏曲目にも次々と顔を出してきます。(「ピーターとおおかみ」は演奏されませんが)

まず、歌曲「みにくいあひるの子」。原作はアンデルセンの有名な童話で、プロコフィエフはこれを少し長めの歌曲にしています。「あひるの子」を見舞う過酷な運命や物語のさまざまな場面を生き生きと描きだし、テンポや気分が細かく変化し、映画を観ているような盛り上りを見せます。この歌曲を歌うのは、ソプラノの藤原さおりさん。大阪教育大学教養学科芸術専攻音楽コースピアノ科卒業、京都市立芸術大学音楽学部声楽専攻を卒業され、ロシアに渡りロシア国立チャイコフスキー記念モスクワ音楽院大学院独唱科を修了。モスクワでも多くの演奏会に出演されています。宮下直子さんのピアノ伴奏で、スライドショーと共にロシア語でお届けします。スクリーンには、イラストと日本語対訳が表示され、歌曲「みにくいあひるの子」を堪能していただけます。そして、プロコフィエフが編曲した「ロシア民謡集」や南葵音楽文庫所蔵「ホルマンコレクション」より発掘された「ロシア民謡」、 有名な「黒い瞳」と続きます。

さらに、バレエ「ロメオとジュリエット」ピアノのための10の小品より2曲が、宮下直子さんのピアノで。バレエ「シンデレラ」より"アダージョ"、チェロソナタハ長調が、林裕さんのチェロと宮下さんのピアノで演奏されます。

歌曲と器楽曲で、プロコフィエフの叙情的な温かさや親しみやすさを感じる”冬に想ふ”コンサート。南葵音楽文庫研究員の近藤秀樹さんのお話付で、今週の土曜日、県立図書館メディア・アート・ホールで開催されます。

フォルテワジマpresents「歌こそ命~Songs」 10thAnniversary クリスマス プレミアム!コンサート

わかやま新報
とらふすクラシック・332
フォルテワジマpresents「歌こそ命~Songs」
10thAnniversary クリスマス プレミアム!コンサート
12月24日、和歌山城ホールで開催される、この冬一番のイベント、フォルテワジマpresents「歌こそ命~Songs」10thAnniversary クリスマス プレミアム!コンサート。その始まりは、和歌山市中心市街地活性化計画の一環として、本町2丁目、ぶらくり丁、にフォルテワジマさんが誕生したときにはじまります。街おこしにやってきたフォルテワジマさんを、音楽で盛り上げようと始まったのがフォルテピアノ広場だったのです。地元のアーティストたちのピアノ演奏が続くなか、年末のクリスマスシーズンにピアノで歌い上げる「歌こそ命~Songs」が生まれ、コロナ禍の中も、多くのお客さまに支えられ、今年10年目をむかえることができました。

そんな記念のクリスマス プレミアム!コン サートは、清水香予子さん、刀禰知美さん、宝子さん、宮本静さん、矢倉愛さん、お馴染みの5人の歌姫が、木谷悦也さん(指揮・ピアノ)のストリングアンサンブルとジャズベースの刀祢直和さん率いるバンドをバックに、ジャンルを超えて歌い上げるスペクタクル。さらに、グランドハープの川口麻紀さんとバリトンの松澤政也さんがスペシャルゲストとして加わり、クリスマスムードを盛り上げます。

シャンソンやポップスのウインターソングの名曲や、冬らしい艶歌がストリングに乗って歌われます。ハープ2台の弾き語りや、インストで綴る映画音楽の世界など、聴きどころも満載。ビートのきいたバンドでソウルフルに響く歌声、ドラマティツクなオペラの世界~プッチーニヴェルディの美しいアリアの数々、まさにクリスマスにふさわしいステージになるでしょう。

このコンサートは、12月24日(日)、午後2時から、会場は和歌山城ホール大ホールです。チケットは前売3千円、当日5百円増。和歌山城ホール、県民文化会館のプレイガイド、WEB(ORコード)で発売中です。問合せは同実行委(073-457-1011)まで

過去最大熱量で。 和歌山大学交響楽団 第55回定期演奏会

わかやま新報 
とらふすクラシック・331。

過去最大熱量で。
和歌山大学交響楽団 第55回定期演奏会
    和歌山大学交響楽団 団長 樋浦和磨
和歌山大学交響楽団。和歌山と大阪の県境に位置する和歌山大学に、オーケストラがございます。大学内の課外活動いわゆる部活動として日々音楽と向き合っている集団です。

そんな我々が、12月10日(日)午後1時30分から、和歌山城ホール大ホールにて、第55回定期演奏会を開催いたします。今回の演奏会は、ロシアの作曲家・チャイコフスキーに絞った曲目。指揮者は2人で、学生指揮の山本はるかさんは、教育学部2回生、音楽専攻の彼女は、バレエ組曲くるみ割り人形」作品71aを楽しく指揮。客演指揮の橋本徹雄先生は、和歌山大学交響楽団音楽監督。現在40年以上音楽監督をしてくださっている橋本先生は、交響曲第5番作品64を指揮してくれます。

数々のレッスンと夏合宿を経て当日に臨むわけですが、和歌山大学交響楽団のアピールポイントは、誰でも受け入れる点にあります。入部にオーディションはありません。楽器初心者も経験者も大歓迎。弦楽器に関しては、楽器初心者も多く在籍しておりそれぞれ目標に向かって日々練習しております。楽器を始めて数ヶ月でこのような大曲に挑む姿勢は非常に真面目なもので、一つ一つ課題を解決していく勤勉さは経験者に迫るものがあります。なんと一年生であっても活動日以外に毎日練習に来ている人もいます。

大学生であるが故に、それぞれの向いている方向をまとめ上げることは難しい時期もありました。しかしながら、団員全員がいい演奏をしたいという共通の目標に向かって練習してまいりました。その過去最大熱量の集大成を、12月10日(日)和歌山城ホールにてお届けいたします。ぜひお越しいただき、最後の一音まで受け取っていただけると幸いです。

チケットは500円、前売り券は和歌山城ホールにて販売中、当日券もございます。また、事前取置きはGoogleフォームで可能です。詳しくはX(旧Twitter)、Instagramにて配信中です。電話のお問い合わせは070-7660-4280まで。

樋浦和磨
ひうらかずま。2001年新潟生まれ。経済学部3回生。幼少よりヴァイオリンに親しむ。和歌山大学交響楽団団長、コンサートマスター

歓喜の大合唱2023 和歌山県第九合唱団

わかやま新報
とらふすクラシック・330

歓喜の大合唱2023
   和歌山県第九合唱団

年の瀬の風物詩、「和歌山県第九合唱団」のベートーベン交響曲・第九の第49回記念演奏会が12月10日(日)午後2時半から、和歌山県民文化会館大ホールで開かれます。コロナ明けの昨年に続き、フルオーケストラを迎えた本格的なコンサートとなります。

今年の「歓喜の大合唱2023」を指揮するのは三ツ橋敬子さん、三ツ橋さんは、東京藝術大学及び同大学院を修了。ウィーン国立音楽大学とキジアーナ音楽院に留学。小澤征爾さん、小林研一郎さん等に師事。第10回アントニオ・ペドロッティ国際指揮者コンクールで日本人として初めて優勝、最年少優勝で初の3冠に輝くなど多くの国際コンクールで受賞。2009年Newsweek Japan誌「世界が尊敬する日本人100人」に選出され、2021年コロナ禍においてNHK交響楽団デビューを飾り、堅実な解釈力と手腕により称賛を集めています。また、「情熱大陸」「題名のない音楽会」などメディアにも数多く登場されています。

オーケストラは、お馴染み京響こと京都市交響楽団の皆さん。そして、ソプラノの中西千尋斉さん、アルトの影原真由美さん、テノールの水口健次さん、バリトンの油井宏隆さんの4人のソリストが出演します。また、第九の前に京響ベートーヴェン「プロメテウスの創造物 序曲 作品43」を演奏します。

この冬、京都、和歌山、大阪を京響と共に巡る三ツ橋さんは、「いまFREUDEを感じるのは、あえて時間をたっぷり使うことですね。時間を作ってコンサートに足を運べば、そこでしか味わえない体験をすることができます。」とWEB記事に書かれています。

この演奏会は、座席指定:SS席6千円、S席5千円、当日座席指定:A席4千5百円、大学生以下2千円。前売りチケットは、県民文化会館、和歌山城ホール等のプレイガイドで取り扱い中です。また、未就学児のご入場はご遠慮ください。問合せ、和歌山音楽愛好会フォルテ(073・422・4225)まで。