縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

ときめく★楽・音・生・活 名映画はぶらくり丁から シネマ203 来月ブレオープン「SUKITA」上映

朝日新聞・和歌山版
ときめく★楽・音・生・活

名映画はぶらくり丁から 
シネマ203 来月ブレオープン「SUKITA」上映

私が生まれたのは、昭和24年(1949年)、和歌山市の繁華街・中ぶらくり丁の岩喜レコード店の2階でした。その頃周りには、映画館がいくつもあり、映画がはねると、主題歌のレコードを求めるお客様でにぎわう店頭と商店街の雑踏が幼い記憶に残っています。少し長じてからは、映画、とりわけ洋画に夢中になり、日の丸劇場や国際劇場などの洋画館に通ったものです。今では、考えられませんが、当時の映画館は自由席、人気の上映は、ぎゅうぎゅう詰めの満員で立ち見。大人の間に交ざって、文字どうり背伸びして映画を見た記憶は強烈でした。

その映画館たちが、ぶらくり丁から次第に無くなり、久しく時間が流れましたが、この9月2日(土)、北ぶらくり丁に、シネマ203がオープンします。レトロなビルディング・北ぶらくり丁会館の2階203号室に誕生する映画館は、映画マニアが、わかやま産業振興財団の補助金を得て立ちあげ、和歌山にはなかなかやってこない素敵な映画を、月替わりで上映するというものです。

9月はプレオープンとして1本の映画を土日祝の9日間、1日4回ずつ上映します。作品は、日本映画「SUKITA」。デヴィッド・ボウイYMOのジャケット写真で有名な鋤田正義を映画が追います。九州の商店街に生まれ、世界へ飛び出した熱い人生を、懐かしくて新しい北ぶらくり丁から送ります。

10月のグランドオープンは、昨年夏に東京・渋谷で若者を中心に大ヒットしたフランス映画「みんなのヴァカンス」、11月は“アメリカ映画を変えた男”ジョン・カサヴェテス監督特集。「映画にとってもっとも重要なのは、もしかしたら音楽では」そんな観点から選ばれた作品たちが次々と上映される予定で、とても楽しみです。問合せは、シネマ203(090-8172-7074)