今日付け、わかやま新報”とらふすクラシック・50”
県立図書館と「きのくに音楽祭」
和歌山ライブの歩き方 岩橋和廣
和歌山県ではじめてのクラシックの音楽祭「きのくに音楽祭」が、来年10月の3日間、県立図書館メディア・アート・ホールを中心に行われることが発表されました。同館のコーディネーターのひとりとして、嬉しい限りです。同館の新たなクラシックへの取り組みは、所蔵されていた越智コレクション・3000枚を超えるクラシックレコードの作品リストを作り、試聴環境の整備からはじまったと思います。2012年のことです。今では、毎週のようにレコードコンサートが開かれ、熱心な音楽ファンの集う場になっています。
翌年より始まったMah!ライブラリー室内楽定期演奏会は、地元ゆかりの演奏家や世界的な演奏家を招いて回を重ね、この春で22回目を迎えます。そういうことで、今では、土日の稼働率が一番の人気ホールになってきたようです。この間、東京藝術大学学長の澤 和樹先生に、音楽監督に就任いただき、そのご指導の下に取り組めたことは幸運でした。
澤先生を総監督として開催される「きのくに音楽祭」には二つの大きな特色があります。ひとつは、図書館が中心ということです。音楽ホールをもつ図書館は全国的にも少ない上、昨年より紀州徳川家ゆかりの世界的な音楽資料「南葵音楽文庫」が、同館で公開されています。このように、書と音がコラボする音楽祭は、世界的にもユニークなのです。もうひとつは、洋楽中心のクラシック音楽祭に、箏などの邦楽の視点が加わったことです。世界と日本が音楽でクロスすることは、未来志向の音楽祭としてとても大切とおもいます。
図書館はもちろん、文豪ゆかりの和歌の浦・あしべ屋妹背別荘や徳川ゆかりの養翠園、和歌山城などで開かれる音楽祭。地元の皆さんの応援で、いつかは世界中から聴衆が集う素晴らしいフェステイバルになるに違いありません。早期エントリーのサイトが立ち上がっています。是非ご覧ください。http://kinokuni-fes.com/
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