縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

無声映画の金字塔『裁かるゝジャンヌ』ピアノ演奏付上映会

とらふすクラシック・354。
無声映画の金字塔『裁かるゝジャンヌ』ピアノ演奏付上映会
        シネマ203主宰 高水美佐

北ぶらくり丁の正面に、和歌山の文化発信基地がやってきました! 本町文化堂。2017年3月から「まちの本屋」として親しまれてきた本屋プラグが、今年3月に「本町=Book Town」にリニューアル移転(和歌山市本町3丁目6)。新刊、古書、雑誌、絵本、雑貨や、ときには和歌山市内で採れた新鮮野菜なども並ぶ、待望の超本格書店です。2020年から続く人気Podcast番組『本町文化堂からこんにちは』では、本にまつわる様々なカルチャーを毎週紹介しながら、和歌山の魅力を全国に発信し、県外の多くのカルチャー・ピープルをこの街へと誘っています。

そんな本町文化堂からまたひとつ、新たな企画が始動します。[音楽と無声映画]。企画はもちろん、和歌山きっての映画通・店主の嶋田さんです。「1920年代後半のトーキー(発声映画)登場まで、映画のフィルムには音がありませんでした。その頃の映画を、現代『サイレント映画無声映画)』と呼びますが、当時の映画館が決してサイレント=静かだったわけではありません。楽士という専門の音楽家が、ピアノを中心とした楽器の生演奏で、スクリーンに映しだされる映像に、音楽の彩をそえていました」

100年前の映画上映を本格体験させてくれるのは、楽士の鳥飼りょうさん(写真)。現在、上映会で最も演奏する楽士の一人として、関西を中心に国内外の映画祭や劇場で活躍中です。大阪や神戸の映画館での伴奏付き定期上映も人気ですから、和歌山の映画ファンはお待ちかねですね。

上映作品は、シネマ203で連続上映中のカール・テオドア・ドライヤー監督特集から、無声映画の金字塔『裁かるゝジャンヌ』(1928)。ジャンヌ・ダルクが異端審問裁判にかけられ、揺れ動く心の機微が、鳥飼さんのピアノ生伴奏でどう迫りくるのか……一生に一度の映画体験を、存分にお楽しみください。5月25日(土)17時半より本町文化堂2階。ご予約は本町文化堂(073-488-4775)またはシネマ203(090-8172-7074)まで。

高水美佐
和歌山市出身。小中高時代を過ごした1970~80年代、ぶらくり丁周辺の映画館通いに明け暮れ世界の広さに大きな憧れを抱く。2023年10月より、北ぶらくり丁で日本一小さな映画館「シネマ203」主宰。