とらふすクラシック・279
昭和拾年代の和歌山音楽事情
シンポジウム~蓄音器コンサート
今週の土曜日、ぶらくり丁のフォルテワジマ4Fホールで、「昭和拾年代の和歌山音楽事情」というシンポジウム~コンサートが行なわれます。このイベントは、戦前の昭和15年に和歌山市・ぶらくり丁周辺に、蓄音器店が20余店もあったという記録からはじまりました。信じられない店舗数で、当時の和歌山の音楽文化の状況を紐解くと共に、SPレコード盤による蓄音器コンサートとピアノとヴァイオリンで歌う昭和歌謡のライブを行います。
シンポジウムには、金沢蓄音器館の館長、八日市屋 典之さん、和歌山市立博物館元学芸員の太田宏一さん、和歌山放送/フリーアナウンサーの小林睦郎さん、そして私もレコード店の親父として参加し、往時の和歌山、ぶらくリ丁に、これだけの蓄音器店があった”謎解き”をしてみたいと思います。どんな風になるのやら、とても楽しみです。
続いて、金沢蓄音器館所蔵の蓄音器と八日市屋さんの解説付きSPレコード・コンサートです。日本有数のコレクションから、昭和拾年代をテーマにした楽曲をかけていただきます。和歌山にちなんだ「鞠と殿様」や信時潔作曲の万葉歌の合唱「紀の国の歌」、歌謡曲からクラシックまで、電気の使わない蓄音器の響きを楽しんでいただきます。初めての方は、その音色の心地良さ、しっかりした音量に驚かれると思います。
最後は、生演奏のコンサートです。往時の歌謡界は、オペラ歌手を目指した淡谷のり子さんはじめ、多くの音大出身者が活躍していたことにちなみ、木谷悦也さん(ピアノ)と古久保有亜さん(ヴィオリン)二人のクラシック奏者と演歌歌手・宮本静さんによるコラボで「ピアノとヴァイオリンで歌う昭和歌謡」。往時そのままに復元する「ダイナ」や「別れのブルース」、アレンジを加えた「蘇州夜曲」など、時代感満載で歌い綴ります。
このイベントは、11月12日(土)14時から、フォルテワジマ。前売は2000円、当日は2500円、問合せは、川崎:073-423-4655まで。