縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

箏の世界!異文化と交じりあい、進化する音楽

本日付け。とらふすクラシック・39。
  箏の世界!異文化と交じりあい、進化する音楽
                 小松 亜未

新春を迎え、町中が晴れやかな活気に満ちたこの時期、スーパーや百貨店など至るところで箏の音が流れています。なかでも「春の海」は、日本の新年を印象付ける楽曲として、多くの人々に親しまれています。

「春の海」をはじめとした宮城道雄の作品は、邦楽界に大きな改革をもたらしたと言われています。当時の邦楽界は、明治維新にともなう西洋クラシック音楽流入に伴い、大きな危機に直面していました。「西洋のものは東洋のものより優れている」という西高東低の考え方が世間に広まり、邦楽人気が衰退しつつあったのです。

この風潮に一石を投じたのが宮城道雄です。国際港が開かれ、洋館が立ち建ち並ぶ神戸に生まれた宮城は、幼少期より西洋文化の影響を強く受けて育ちました。箏曲家の道を志した後も、伝統の殻に閉じこもることなく、クラシックの音楽理論を積極的に学び吸収し、自らの作品に取り入れていきました。こうして誕生した「春の海」は、西洋の音楽形式と日本的な気風を融合させた傑作として、一躍注目の的となったのです。のちに「春の海」は、フランスのヴァイオリニストとも合奏され、そのレコードは、フランスおよびアメリカでも発売され、爆発的なヒットとなりました。

宮城は「伝統的な邦楽」と「新しい西洋音楽」を対立させるのではなく、両者の良いところを柔軟に組み合わせようと考えました。こうして邦楽は日本のみならず、海を越えて幅広く受け入れられていったのです。

LURU CLASSIC 和CAFEの第一弾「箏の世界」では、古典から現代曲、クラシックのアレンジから洋楽器とのアンサンブルまで、様々な箏の音楽をお届けいたします。古くより日本社会に根付き、発展を遂げてきた箏の音色を、是非お楽しみください。コンサートは1月20日(土)14時から。チケットは1500円(フリードリンク付き)、限定40席です。問い合わせはLURU HALL( 073-457-1022)まで。

小松 亜未 プロフィール 和歌山市出身。桐蔭高校箏曲部にて箏をはじめる。第21回賢順記念くるめ全国箏曲コンクール第3位、第21回くまもと全国邦楽コンクール奨励賞受賞。西陽子氏に師事。
 

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