北島佳奈 クラシックヴァイオリンの世界 北欧の香りと煌く弦の響
北島佳奈さんは、このホールと自身の音を最適にする為、
リハの音だしを客席でICレコーダーで録音し、
何度も確認するというサウンドチェックを入念に重ねてくれた。
そして、半吸音カーテン(写真)という予期せぬスタイルで、
ピアノとヴァイオリンの良いバランスを見つけ出した。
その結果、自身のパフォーマンスも信じられない位上がり、
ブラームスの「雨の歌」では泣きそうなほどの感情の高まりを感じたそうだ。
休息をはさんでのバッハの無伴奏、
そして最後のグリーグのソナタへ、終盤見事な盛り上がりをみせた。
アンコールの度重なる拍手に登場し、
この日初めて、ステージ上から客席に向かって口を開いた。
「ありがとうございます。でも、アンコールはできません。
この6曲が、このホールで弾いてみたかったすべてです。
これ以上は、弾けないのです」
このホールの良さを理解し、この日の自身のデビュー10周年記念演奏会に
臨んでいただいた北島佳奈さんに改めて感謝するしかありません。