縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

うどん県とニューヨークのクラシック

もう何年か振りに、和歌山港から
南海フェリーに乗って、うどん県香川へ向かった。

パソコンブースも完備され、嬉しい限り・・・
Wimaxはすぐ圏外だった。Wifi設備がないのが不思議だ。
入港時に、宝子さんの歌う、南海フェリーのテーマ「海のむこうに」が流れてくる。船上で聞くのは初めて、無論格別だ。


フェリーを降りると、うどん町!まんのう町へまっしぐら!
今回のミッションは、香川県民が選ぶ人気ランキングTOP3を巡ることだった。
限られた旅程で、移動距離と売切タイムを組あわす楽しいゲームだ。

徳島から電話すると、「なんともいえません」といふ正確な答えに、「ともかく向かいます!」と駄目元で走ること、また楽し・・・
間にあった!谷川米穀店。冷たい小をスパーシーな薬味で、
あったかい小を生たまごで喰らった。一杯120円!
秘境度合いが最高で、自らの馬鹿さに浸りながら喰ううどんだ。


もっと旨いうどんがあるはずだと、腹ごなしに寄った温泉で女将に尋ねると
「私は、みしま」三嶋製麺所のことだ。すぐ近くで向かうが道に迷う・・
どの店も看板・案内ないので油断禁物だ。なんと金曜日で定休だった!残念・・
「うどん」の映画ロケにも使われた・・・女将の親切には感謝するしかない。


善通寺に向かう。道中ハンドル切りたいうどん店多々あるも我慢だ!釜揚げうどんの長田 in 香の香に着す。
普段は釜揚げを自ら注することはないのだが・・・
ひと口で感動した。伊吹いりこの出汁と麺が実によく合う。


保冷バッグの生うどんと出汁の釜揚げセットを載せて、高松に向かう・・
類似都市として、良く来た街だ。和歌山市が人口で勝っていた頃も文化や商業の集積では、学ぶべきことが多かった。近年は、中心市街地の活性化を成功させて注目を集めていた。その商店街を初めて歩いた。見事な街創りに今更ながら感心した。県都のショーウインドーを成功させれば、看板をうどんにかけかえる英断も生きてくる。老舗のレコード店の姿は無かったけれど、大きなCDショップが5店舗もあり、これはもう全国的に珍しい。文化のバロメーターとなるのだろうか・・・



土曜日の朝。車で小一時間の須崎うどんは断念して、
商店街に隣接したアルファあなぶきホールに向かう。
お城と港と駅が合体した楽しいエリアにある。
ニューヨークの腕利きオーケストラと地元・香川の音楽家たちの共演が行われるのだ。今年で、6回目という・・・



ランチは、ホール6Fのギャラリーカフェ•シレーヌ
出船入船を眺めながら、やっぱり!サラダうどんでしょう・・。
彩り綺麗な麺をご馳走になりながら、
ニューヨーク・シンフォニック・アンサンブル
音楽監督高原守さんのことをしっかり聞いた。


この音楽会は、クラシック音楽の普及と地方都市の国際交流を見事に実現している。とてもよく工夫され、6年も続くのは、多分楽しいからだろう!

黒い正装の楽団員たちは様々に舞台にやってくる。歩き方から、気取らないニューヨーク風を感じてしまう。メンデルスゾーン真夏の夜の夢」からはじまった。馴染みの曲だが、演奏会ではなかなか聴いてないかも。ブラスが優しく心地よく、上質感・透明感あふれる響きだ。次は、ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲 第1番」、ヴァイオリンは、香川出身14歳の真田大勢さん。好演にオケの音色も微妙に化学反応して、大きなブラボーを貰った。



第二部は、演奏会形式の新説 落語風オペラ モーツァルト歌劇「フィガロの結婚」。四国二期会二期会オペラ合唱団の皆さん。ハイライト版のナビは、語りで落語家の三遊亭好楽さん。名曲に名調子の喋り、さりげなく見事にサポートするオーケストラ。これは、受けますね。



指揮を終えたばかりの高原守さんの楽屋にお邪魔した。
挨拶もそこそこに、「暑いでしょう!お水どうそ!」とミネラルを一本手渡してくれた。その仕草に、アメリカ人の良いところ身につけた国際人を感じ、嬉しくなった。
「和歌山で演奏出来たらいいのですが・・」
その言葉をしっかり心に残して、うどん県を後にした。


遅めの晩飯に、保冷バッグの釜揚げセットを喰らった。
我が家で喰らった最高のおうどん様であった。


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