和歌山市の繁華街・ぶらくり丁から、ひと歩き・・・
「和歌山ブルース」に歌われる真田堀川と
大門川が合流する近く鈴丸橋のぴあのバーあんてぃーくが新しくなった。
アロチに創業し、その後移転した老舗で、
グランドピアノを組み込んだ13席のカウンターだけのお店だ。
ピアニストの常悦さんとシンガーソングライターの宝子さんが引き継いだ。
いつも常悦さん、週末には宝子さんがお店で歌うことも・・・
ピアノが花束で埋まる昨晩お邪魔した。
「なにか弾いて・・・」とお願いすると
ショパンのエチュード3番「別れの曲」を手短く演ってから
宝子さんと二人で、オリジナルの
加太の「たつまきの木〜常行寺の柏槙〜」動画はこちら
紀美野の「むかしむかし」などを歌ってくれた。
渡伯して歌う予定といふ「仰げば尊し」ボッサ版はユニークだった。
常行寺の僧籍を持つ常悦さんの薀蓄は、少々理屈ぽいが面白い。
今、ピアノ変奏曲に仕立てあげようと取り組んでいる
途中ですが・・・といって、弾いてくれたのが、
なんと上原敏さんが歌った昭和12年の「流砂の護り」だった。
歌謡ファンなら、竹越ひろ子さんの「それが男というものさ」として
知られている。詞は違うが同じ曲です。
また、地元・和歌山では、都はるみさんが歌い
ご当地名所くずし「黒潮節」として、大ヒットしている。
聞けば、お店の開店直前まで、びわ湖ホールでおこなわれた
バーゼル歌劇場「コジ・ファン・トゥッテ」のオペラ公演に
ドイツ語通訳スタッフとして参加していた常悦さん、
歌の持つチカラを、その旋律に感じとっているのだと思ふ。
クラシックピアニストとして、また舞台演出家として
ドイツやフランスに永くいただけあって
日本の歌の良さがわかるのだろう。
かような薀蓄を肴に、酒を飲めるのは嬉しい。
常悦さんの曲つくり、歌つくりが楽しめる
”あんてぃーく”に期待したい。
写真:かよん
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