縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

ギターで紡ぐ愛のカタチ

本日付け、わかやま新報、とらふすクラシック・148
  ギターで紡ぐ愛のカタチ
     ギタリスト 金谷幸三
鳥はなぜ歌い、踊るのか。それらの行動が求愛であることは周知の事実です。そして私たち人間もその自然の摂理に基づいて行動しているにすぎないと言われています。そうであるならもし音楽をまるで歌うように奏でることができた時、音楽家は無意識のうちに愛を語っているのかもしれないのです。ここ数年、私がよく弾いている曲に「想いが届く日」という曲があります。タンゴ歌手・C.ガルデルが歌った美しい曲、誰しも若い時、いや歳を重ねた今でも恋をし、その想いが叶った瞬間の喜びは共有できるはずです。 種存続のプログラムと言われればそれまでですが、そう感じないところに人間の素晴らしさがあると思います。音楽で表現し伝えることは、実はその先にある「優しい気持ち」であるべきではないか。

先日、私自身4枚目となるギターアルバム「ラブソングス」を発表しました。録音は関西屈指の音響を誇る、紀美野町みさとホールで計20曲を収録。 前半をフランスのシャンソン、後半はラテンの情熱的なカンシオンを集めて構成したものです。いずれも仏語・スペイン語で「歌」の意味を持ちますが、クラシック音楽にお いてもメロディーを感情をこめて「歌うように弾く」ことは大切なことです。たとえばメロディーに歌詞を付けてイメージすることもひとつ。言葉は意思疎通に最も適したツールです。そこからイメージを膨らますことで音楽はより伝わりやすい豊かなものにな るのです。今回のCDでは歌詞を踏まえた上で、なおかつシャンソンは仏語の響きをイ メージしました。このCDを聴くことできっとギターの優しい歌心を知って頂けると信 じています。そしてもしかしたら音楽が伝えられることは「愛」だけで十分なのかも知 れないことも。

3月15日(日)15時から、和歌山市湊のピノテラスでレコ発ライブを開催します、是非その愛を生で感じてみてください。ご予約はピノテラス(073-488-6308)まで。

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金谷幸三 プロフィール
ギターをパリ国立高等音楽院およびパリ国際音楽大学に学ぶ。柔らかく流麗な音楽表現を武器にバロックから現代前衛音楽まで幅広いレパートリーをこなす。和歌山市在住