縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

 すべてに感謝を込めて歌う

本日付け。とらふすクラシック・80。
 すべてに感謝を込めて歌う
神戸女学院大学学長、音楽学部教授 斉藤言子

 私の声楽家としての原点は和歌山にあります。小学校2年生から5年生の終わりまで、NHK和歌山児童合唱団(現:和歌山児童合唱団)に所属していました。厳しい入団テストがあり、学校の勉強との両立も条件で、毎年通知表の提出もしなければなりませんでした。
 そんな中で、歌うことの楽しさを知り、高度な音楽基礎を身に付け、ステージに立ちお客様とも音楽を共有することの素晴らしさ、舞台でライトを浴びる演奏者のために、裏方として多くのスタッフが支えて下っていることへの感謝も知りました。そして音楽を磨き表現するために、音楽以外の分野の多様な知識・経験の必要性に気づき、リベラルアーツ教育の先駆者である神戸女学院大学音楽学部に進学しました。
 小学校5年生までは和歌山大学の付属小学校に在籍し、そこでは自ら考え発信してゆくことを学びました。学芸会では劇のストーリー、台本、BGMも自分たちで考え、合唱曲も作詞作曲し発表しました。大学卒業後すぐ2年間のイタリア留学を経て声楽家としてデビューしましたが、今に至るまで和歌山の方々には多大なサポート、応援をいただいています。
 現在は母校神戸女学院大学の学長、音楽学部教授として、同時にオペラ団体関西二期会副理事長として多忙な日々で、他業界の関りも含め、果たすべき責任と役割に押しつぶされそうになることもありますが、声は自身の体が楽器です。コンディションキープはもっとも重要な要素です。今、私は歌うことにより心身のバランスを保ち守っていることに改めて気づかされています。
 私の声楽家としてのキャリアは40年になり、楽器としての肉体のピークは過ぎましたが、年を重ねることで伝えることのできる歌があり、後進に伝えていくべきこともあります。これからも与えられた必要とされる場所で心に届く歌を歌い、同時に指導をも行っていきたいと考えています。

斉藤言子 プロフィール 和歌山市生まれ。神戸女学院大学学長、音楽学部教授。大阪国際コンクール最優秀指導者賞、兵庫県学術教育功労賞、和歌山市文化功労賞、和歌山県文化功労賞受賞。
 

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