今朝の朝日新聞和歌山版の【ときめく★楽音生活】
図書館で学ぶ昭和歌謡
■「歌謡曲今昔物語フェスティバル」
図書館で、昭和歌謡を学んでみませんか? 音楽ホールを持つ県立の図書館は、全国に五つしかありません。和歌山県立図書館2Fのメディア・アート・ホールはそのひとつです。
5月5日、歌って聞いて学ぶ「歌謡曲今昔物語フェスティバル」がいよいよ同ホールで行われます。沙門宏幸さんと宮本静さんという2人の歌い手で、ステージは次のようにすすめられます。
流行歌が誕生した昭和初期。レコード歌謡第1号といわれる「波浮(はぶ)の港」、古賀メロディーの代表作「影を慕いて」の2曲をとりあげます。歌の伝道師として歌謡史に熱心に取り組む沙門さんは、元教師のキャリアを生かして、歴史や地理の授業のような語り口で、歌の背景を伝え、歌います。
対して宮本さんは、同じ演歌歌手ながらも、この時代の歌は、歌ったことはもちろん聞いたこともない世代。今回の歌唱は彼女にとっても新鮮で、とても勉強になると練習を重ねているようです。
戦後の復興と歌謡曲の時代は、なんと言っても天才少女・美空ひばりさんの登場です。「悲しき口笛」をひばりさんへのリスペクトをこめて、宮本さんが歌います。そして、沙門さんが“世が歌につれた“流行歌史上特筆すべき歌とする「ああモンテンルパの夜は更けて」を紹介します。
この歌は当時フィリピンの刑務所につながれていた戦犯とビクターの歌手・渡辺はま子さんとの交流から生まれました。悲しいメロディーに包まれ、歴史を動かしたこの曲を2人で歌います。
激動の時代の歌たちにふれる歌謡講座は、5月5日(土・祝)午後1時から、参加費は前売り1千円(当日1500円)。問い合わせは県立図書館(073・436・9530)。