縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

TSUNAMI ヴァイオリン 千の音色でつなぐ絆コンサート

本日付け。とらふすクラシック・42。
  TSUNAMI ヴァイオリン 千の音色でつなぐ絆コンサート
        和歌山ライブの歩き方 岩橋和廣

この日曜日、和歌山県立医科大学講堂で、南方熊楠生誕150周年記念イベント「森の願い」が行われ、映画「地球交響曲第8番」の上映と「千の音色でつなぐ絆コンサート」が行われ、県下で初めてのTSUNAMI ヴァイオリンが響き、400人を超える観客が魅了されました。このヴァイオリンは、東日本大震災で発生した津波の流木からつくられ、魂柱に陸前高田「奇跡の一本松」の木片を使用し、裏面にも一本松の姿が描かれています。製作したのは、世界的なヴァイオリン製作&修復家の中澤宗幸さんです。
中澤さんは、1940年、兵庫県生まれ。小さいころから木に囲まれ、父親からヴァイオリンと楽器製作を学びます。その後、東京やイタリアに工房を構え、世界中から名器の修復の依頼受けるようになります。大震災の日、中澤さんは東京の工房で、修復作業の途中だったそうです。一瞬の内に崩壊してゆく人々の日常と生命の営み。その映像を前に茫然自失の日々だったそうです。そんなある日、「奇跡の一本松」と破壊された民家の木材が「瓦礫の山」としてテレビに紹介されました。その映像を観ていたヴァイオリニストのきみ子夫人がこう言いました「お父さん、あれは単なる瓦礫ではありません。永年、家の柱や梁として人と共に生きて来た記憶を持っています。あの木や奇跡の一本松を使って新しいヴァイオリンが作れないかしら。」
そして、中澤夫妻は、NPO法人「命をつなぐ木魂の会」を立ち上げ、プロ・アマ問わず、またクラシックのジャンルを超えて、世界各地で千の音色を奏で、復興への想いをつなげるプロジェクトを続けています。この日、358人目の弾き手となった澤 亜紀さんも「特別な思いで弾くことができました」とコメントされていました。千人の弾き手まで、ゆっくりと記憶の時間をたどりながら、続けていくのでしょう。TSUNAMI ヴァイオリンを弾き、そしてその音色を聴く機会を和歌山でも、数多く作りたいものです。
 

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