縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

古座川のわか鮎と女将の串本育ち

縁あって23日・24日と古座川を一泊して巡ることになった。
和歌山にいながら初めてのことです。
思いもかけず音楽にまつわる出合いもあり
音紀行として綴ることにします。


本州最南端・串本近くに流れ込む古座川は
四国の四万十川に勝るともおとらない清流と言われています。
そういうわけですから 噂の高い古座川の鮎は
今回の大いなる楽しみです。
河口の老舗旅館・神保館に投宿するやいなや
少し上流の月野瀬まで古座川のわか鮎を喰らいにいく。


目立たない看板の小屋のような建物が
川漁師・東さんの鮎座敷・・・
十畳程の杉の板間にあがると
大き目の囲炉裏が真中にそしてその向うに川面がみえる。
すぐ傍を流れる古座川からは
心地よい水音と涼風を送ってくれる。


すでに囲炉裏の備長炭は赤く
串の鮎たちはじりじりと焼きあがるのを待っている。
用意された鮎の姿押し寿司と
目にも綺麗な茗荷の寿司を交互に口にしていると
まったく生の鮎の姿寿司がくる。これは初めてだ。
川の香りそのものがストレートにくる。


大皿に赤い山盛の料理がでる。
先ほど親爺が仕掛けを上げたばかりの川エビの唐揚げだ。
中指くらいの手長エビと小振りのエビがあり
小振りの方が味良く口当たりも良い。
ただし大きい方のハサミは極めて美味し。


串の鮎がほどよく焼きあがる。
塩をしていないので丸かじりにて平らげる。美味し。
笹の葉に包まれたおまぜというかしわの炊き込みご飯がくる。
古来からの携帯食も風情のある逸品となるようだ。
鮎のせごしがくる。大きな器にたっぷりと・・・
とりわけながら柚子でいただく。これまた美味し。


部屋の隅の一輪差しに話題が行く。
誰かが尋ねるとハマユウですと女将は唄って応える。
♪可愛い浜木綿 串本育ち 太平洋をば 見てくらす・・・
古都清乃さんの「串本育ち」の2番の一節だ。



古座川のわか鮎と地元の米や野菜
自然の恵みと親爺・女将たちとのご縁に大いに感謝したい・・・。