縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

 10万曲の3万曲の3000曲

Enka2005-10-15

演歌の名門・コロムビアレコードの全盛期に
同社の邦楽部門の責任者だったSさんと久方ぶりに逢った。
Sさんはその後長山洋子さんをプロデュースし
今は門倉有希さんらの所属する事務所の代表です。
六本木での門倉有希さんのライブの前に時間をいただきました。


演歌ショップでの楽曲ダウンロードについて話を重ねました。
楽曲ダウンロードというのは
欲しい曲やカラオケをお店の店頭で
お客様の注文に応じてCDに作るサービスのことです。
これができると廃盤になった楽曲や
プレス枚数が合わず製造中止の商品が手に入ることが可能になります。
またアルバムにしか収録されていない隠れた名曲を
シングルにして手に入れることもできるようになります。
夢のような話ですが技術的にはいつでもできる状態になりつつあります。


問題は採算です。ポップスや洋楽などの音楽ジャンルの中で
一番採算のとれるのは実は演歌・流行歌だと思うのです。
ダウンロードはコンピュータなど最新の道具を使いますが
若い方には0kでも年配の方にはまだまだ使い切れません。
そして年配の方にはその歳の分だけ思い出の懐かしい楽曲=市場があるわけです。
歌うにしろ聴くにしろ・・・そのことは店頭にいれば一番よくわかります。
このねじれた部分をお店が取り持つサービスとして商売できれば
お客様に喜ばれ間違いなく成功するはずです。


Sさんは言います。このかた10万曲以上の演歌が世に出てきた。
そのうち現在流通されているのは3万曲ほど
そして一般に店頭に並んでいるのはわずか3000曲程度・・・
つまり普通のCDショップは1000枚(シングル・アルバム合わせ)の
店頭在庫で商売している訳でこれではお客様に満足されるハズがない・・・
演歌商店主としては耳の痛い話ですが
在庫については正にそのとうりで 売れないから置かない。
置かないから売れない。という状態が長く続いているのは本当です。


そしてそれを革新するのが店頭ダウンロードサービスなのです。
お客様の喜ぶサービスでありCDショップを救う仕組みでありそうです。
Sさんの言葉は共感するもの以外なにひとつありません。
まだまだいろんな課題がありますが
実現へのエネルギーだけは私も負けずにありそうです。
大いに有意義なお話となりました。
このサービスが演歌商店で また日本中の演歌のお店で
出来る日を楽しみにしていてください。


写真は覆面の美人歌手/コロムビア・ローズ 昭和36年刊行「コロムビア50年史」より