縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

MIRAGE ハンドパン×ギター×ライトドロー リモートで共演する奇跡の一夜

とらふすクラシック・157。

MIRAGE ハンドパン×ギター×ライトドロー
リモートで共演する奇跡の一夜
      LURU HALL 支配人  田口雄基
世界が変容していく瞬間を、今、目の当たりにしています。それは凄まじい淘汰圧が、わたしたちに次の時代への進化を促しているかのようです。制約は創造の源でもあります。クリエイティブかつ果敢に新しい時代を開拓していきたいものです。

私は、やり直しのきかない一発勝負のステージ、極限の集中力で発せられるアーティストの渾身のパフォーマンス、一期一会の時空が大好きです。ステージに携わるプロフェショナルたちは、人生をかけてその瞬間を創造しています。そうして生まれる音楽の感動は、時空を超えて私たちの魂を震わせ、インスピレーションや今を生きる活力を与えてくれます。

感動は目で視えませんが、豊かに生きる上で決して欠くことのできない存在です。たとえ”ステージ”の形態が変わっても、その役割は変わりません。音楽に携わるプロの役割は、お客さんを会場に集めることではなく、健全なモデルとして成立させながら、素晴らしい音楽体験を発信し続けることです。

そんな思いで、この3月から始めた”Binaural LIVE!”方式の有料コンサート配信も、5月30日(土)20時30分からの”MIRAGE”でVol.9を数えます。ステージで最も”美味しい生音”が聴けるスポットから、精巧な耳型を持つ高性能マイクによる”バイノーラル”録音方式で、全方位立体的に広がる自然な聴感で、“時空が繋がる音楽体験”をお楽しみいただけます。

MIRAGE”では、ハンドパン奏者平野陽平さんとギタリストKazuyuki Itoさんのデュオ演奏に加えて、ライトドロー作家タキナオさんが愛知県のアトリエから和歌山県まで、演奏に合わせ即興で美しいライトドロー映像をリモート投影します。蜃気楼の様にひと時だけ現れる、再現不可能な一期一会の奇跡の夜を、ご自宅でゆったりと!第一部は無料リアルタイム配信、二部は有料配信となります。詳細は、http://luruhall.zaiko.io

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プロフィール 1986年、岐阜県生まれ。MUSIC ENGINEER、空間録音家。2012年より、音楽の新しいカタチ、バイノーラル録音で時空を超え、繋がる歓びを追求するANIMA ―魂を繋ぐ音― 主宰。

森本耕太朗 上野山彩子 チェロ&ピアノ デュオリサイタル

とらふすクラシック・156。
森本耕太朗 上野山彩子 チェロ&ピアノデュオリサイタル
新型コロナウイルスの影響で、コンサートの中止や延期が続く中、コンサートをライブ配信アーカイブで楽しむ方も増えてきているようです。あたらしい生活様式のひとつとして、クラシックファンにも必ずや親しまれていくことと思います。

そいういうネット配信に、プレミア配信という新しいサービスがはじまりました。特別に契約した専用サーバーから、ライブ配信、アーカーブ共に、YouTube比2.5倍の高音質(320kbps)で、音楽を届ける仕組みです。スマホやパソコンでもはっきり違いがわかります。また、高画質にもなっており、大画面のTVモニターに接続すれば、より迫力たっぷりにコンサートを楽しむことができます。さらに、生の耳で聞くような自然な音そのままに、全方向立体的に広がるバイノーラル録音ですので、ヘッドホンやイヤホンで聞けば、会場にいるかのような臨場感を居ながらにして満喫することができます。

プレミア配信によるはじめてのクラシックコンサート「森本耕太朗 上野山彩子 チェロ&ピアノデュオリサイタル~星々の言葉~」が24日(日)14時からおこなわれます。もちろんこの時期、無観客です。グラナドスやファリャ、モンポウなどスペイン作曲家たちの小品に、カザルスの「鳥の歌」。そして、ドビュッシーチェロソナタ。~言葉よりももっと 語る音楽であるように、歌う楽器であるように~この困難な時期に、心したプログラムのようです。

この配信コンサートは、YouTubeFacebookで無料配信も同時に行なわれますが、より音楽を楽しみたい方に登場したのが、プレミア配信(千円)という訳です。さらにこのコンサートは、従来のCDを超える情報量を持つ高音質ハイレゾ音源(192kHz24bit)のダウンロード販売(2千円)も行なわれる予定です。詳しくは、サイト:https://luruhall.zaiko.io/e/luruhall20200524

キネティック ~3D音実感と映像の時間

とらふすクラシック・155。
キネティック ~3D音実感と映像の時間
        チェリスト デュプイ ロビン
f:id:Enka:20200514150637j:plain:w360:left音を見たくて生きてます。見えないものですが、感じたらいろんな気持ちになる不思議な力を持っていて、目で見えないのに確かに存在していて、生き物に影響する素晴らしいもので、いつも感動します。

高野山の富貴という村に住んでから、自然の音を深く感じるようになりました。自然ほど表現できませんが、その自然を楽器を通じて真似して、聞く方が自然の素晴らしさを思い出すような気持ちで演奏してます。耳で感じる音の世界がもし目で見えたら・・・

世の中は難しい所を乗り越えてる時ですが、新しい形のライブをお届け出来るのでワクワクしています。私の理想のライブは、一対一の形で、自然の中で演奏をしたいといつも思っています。今回はお客様一人一人自分の好きな所でゆっくりと聞く事ができるので、理想に近い形になって、嬉しいです。

和歌山で素晴らしい音を奏でる竹スピーカーを作る梅田さんのスピーカーを通して、音を届けるようになって光栄です。250年の木と馬の尾を引いた弓で、4本の金属の弦を踊らせる表現の可能性に挑戦します。

良く知られてる曲をアレンジした世界から、自作した音の世界に旅できる時間となります。チェロ以外にシュルティボックスやカリンバ、波紋、ウィンドキャッチャー、お水、レインスティックなども使いながら、身近な風景を使った自作の映像と共に届けます。

ルルホールのバイノーラルマイクで、3Dの音の世界を感じる事ができます。4本の竹スピーカーから伴奏のある曲を鳴らし、その前でチェロを弾いたり、小楽器で演奏したり、イヤホンを使って頂く事によって、その場にいるような臨場感が味わえます。希望として、心地良い環境で、好きな香りに包まれて、飲み物を楽しみながら、聴いて頂ければ幸いです。

この演奏会は、5月23日(土)20時30分から、無観客配信で行われます。詳しくは:https://luruhall.zaiko.io/e/luruhall20200523
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プロフィール
フ ラ ン ス の ストラ ス ブ ー ル 出身。パ リ の 名 門 音 楽 学 校 ス コ ラ・カ ント ルムでチェロを学ぶ。一度音楽を離れたが、来日後ポップスの世界で活躍。玉置浩二、久石 譲、矢沢永吉などと共演。チェロで、新たな音響の世界を探る。

南葵音楽文庫アカデミーのセミナー!

とらふすクラシック・154。
 南葵音楽文庫アカデミーのセミナー!

6月から、和歌山県立図書館を中心に開講される南葵音楽文庫アカデミーには、前回紹介したカレッジ(講座)と併行して、セミナー(演習)が開催されます。だれもが気軽に聴講できるカレッジと違って、セミナーは通年(全8回)参加可能な方が対象となり、聴講だけの参加はできません。

このセミナーは、南葵音楽文庫とその資料を基に、明治以降の紀州徳川と連なる人々が、いかに日本の文化に貢献してきたかを探り、またその実際にふれながら学ぶ演習です。原則、県立図書館内の南葵文庫閲覧室で行なわれます。大きな机を囲み、資料や文献に、時には手をふれながら進められます。予め、決められた課題について、各自が学習、セミナー当日は講師等が中心となり、質疑など交えて演習を行ないます。

スケジュールと各回の内容、担当講師(敬称略)は、6月14日:ガイダンス、7月12日:南葵音楽/南葵音楽文庫とその資料、関連する基本情報(担当:美山良夫)8月30日:徳川頼貞と喜多村進:和歌山県立博物館企画展に際し(担当:林淑姫)9月13日:資料の、見方、読み方、扱い方:カミングス文庫貴重資料を例に(担当:佐々木勉)10月11日:頼倫と頼貞:図書館人として(担当:林淑姫)11月8日:徳川頼貞とオルガン:南葵楽堂オルガン設置100年(担当:近藤秀樹)12月6日:大正期の関西音楽界(担当:塩津洋子)1月10日:セミナー履修生による報告・発表、3月7日:紀州徳川ゆかりの建築遺構:湊御殿、名草御殿(担当:中西重裕)

セミナーの定員は20名。受講料は無料ですが、、課題文献の用意や見学場所の入場料など、実費が要る場合があります。申込み多数の場合は抽選。お申込みは、近くの図書館もしくはWEBから、応募締切日は5月20日です。問い合わせは、県立図書館サービス課(073-436-9520)まで
https://www.lib.wakayama-c.ed.jp/nanki/

南葵音楽文庫アカデミーのカレッジ!

本日付け、わかやま新報、とらふすクラシック・153。
 南葵音楽文庫アカデミーのカレッジ!

和歌山県立図書館で6月から開講される南葵音楽文庫アカデミーでは、来年3月までにカレッジという講座が11回にわたり開講されます。写真のように、春夏秋冬の季節ごとに、金曜日、土曜日、日曜日と3つのコースで行なわれます。金曜カレッジと日曜カレッジは県立図書館を会場として開講、土曜カレッジは、新宮、橋本、田辺と各地で出前して開講されます。県下を縦断して行なわれる本アカデミーの中核となる講座です。

金曜カレッジは各回14時~16時、6月12日「稀有な収蔵 カミングスとスナール」(担当:佐々木勉、近藤秀樹)、9月11日「J.ホルマン:人、音楽とその魅力」(担当:美山良夫、林 裕)、12月4日「文庫の行方:失われた40年、だが…」(担当:松下鈞ほか)、3月5日
「熟覧と細見 資料が語るヒストリー」(担当:近藤秀樹、佐々木勉)。

土曜カレッジは各回13時30分~15時30分、6月13日は新宮で「佐藤春夫と音楽」(担当:美山良夫、林淑姫)、9月12日は橋本で「英国/アイルランドの風」(担当:守安功、守安雅子ほか)、12月5日は田辺で「人物論・徳川頼倫《ミカド》《ゲイシャ》《蝶々夫人》 :西洋から見た日本像」(担当:林淑姫、泉 健)。

日曜カレッジは各回10時~12時、6月14日「徳川頼貞を知る第一歩」(担当:美山良夫、泉 健)、9月13日「英国/アイルランドの風」(担当:守安功、守安雅子ほか)、12月6日「人物論・徳川頼倫/人物論・徳川頼貞」(担当:林淑姫ほか)、3月7日、この回のみ岩出開講「紀州徳川ゆかりの建築遺構」(担当:中西重裕)。

6月開講!南葵音楽文庫アカデミー

本日付け、わかやま新報、とらふすクラシック・152。
 6月開講!南葵音楽文庫アカデミー

本コラムの由来となった虎伏城~紀州徳川家ゆかりの「南葵音楽文庫」、世界に誇れるクラシックの音楽資料が和歌山に里帰りし、県立図書館等で公開が始まり3年がたちました。膨大な資料、約2万点の整備がこのほど完了し、記念の出版物が三点出版されるのにあわせて、6
月から、南葵音楽文庫アカデミーが開講されることになりました。

これまで、文庫の資料やコレクションを通じて、定期講座やミニレクチャーが数多く行なわれてきました。このアカデミーは、それらを集大成し、より深く、さらに広い視点から、明治以降の紀州の人々が果たしてきた数々の文化貢献を学び、今の和歌山に広め根付かせることを目指しています。

このアカデミーには、カレッジ(講義)とセミナー(演習)があります。カレッジは、春夏秋冬の季節ごと、来年3月までに8回、県立図書館で開講されます。教室での講義形式による講座で、各回ごとの聴講もできます。また、新宮、橋本、田辺、岩出の各会場で、出前のカレッジも開催されます。セミナーは、県立図書館にある南葵文庫閲覧室で、多くの文献や資料に囲まれながら行なわれます。課題を学習し、講師と共に演習します。従って年間通じて全8回を参加できる方が対象となり、聴講の参加はできません。

また、慶應義塾大学名誉教授の美山良夫先生はじめ講師の先生方は10名。研究者としての豊富な専門性に、わかり易いお話しぶりは、初心者でも気兼ねなく楽しめます。そこに、チェロ奏者やアイリッシュ音楽の演奏家も加わって、音楽講座ならではの贅沢な講師陣となっています。しかもすべて受講料は無料です。

4月14日から、申込み受付けが始まります。近くの図書館、もしくはWEBからダウンロードしてお申込ください。カレッジの定員は各60名、セミナーは20名です。問い合わせは、県立図書館(073-436-9520)までhttps://www.lib.wakayama-c.ed.jp/nanki/

臨場感あふれるホールの響きが・・・

本日付け、わかやま新報、とらふすクラシック・151。
    臨場感あふれるホールの響きが・・・

今、コロナ対応で注目を集めているコンサートやライブのリアルタイム動画配信。実は ” 和歌山ライブの歩き方” には、10年近い動画配信の歴史があるのです。2010年、日本でサービスの始まった動画共有サービス・Ustreamをいち早く導入。UstreamTVスタジオとして、数多くの和歌山のライブをリアルタイムで動画配信、クラシック、ジャズ、演歌、ポップス、ダンスなど多様なジャンルのステージにカメラを持ち込みました。

アーティストのツアーにも同行し、周参見や大地などから中継を行い、またスタジオからは月6本のレギュラー番組を定期配信、2011年には、第1回 関西USTREAM大賞にノミネートされ、動画のアーカイブは1100本を超えていました。2016年にUstreamのサービスが終了し、それ以降はYouTubeによるLURUHALLのトークステージを配信する”カフェTV”3本を定期番組として続けてきました。

そしてこの3月、設備を一新、日本初のバイノーラル録音による高品質のリアルタイム配信を始めました。バイノーラルは、人間の頭部の音響効果を再現するダミーヘッドなどを活用し、鼓膜に届く状態で音を記録します。パソコンやスマホのイヤホンで聴くと、あたかも会場に居るかのような臨場感あふれる演奏を楽しめるのです。

この新方式により、3月24日、矢倉愛のオペラ・カフェTV13が行われました。ソプラノの矢倉愛さんとピアノの森下美和さんが、ヴェルディプッチーニのオペラ・アリアなどを生歌と楽しいお喋りで綴る番組です。響きの良いLURUHALLの中でも一番のスポットから届けられるソプラノの歌声や、スタンウエイピアノの音色で、新しいコンサートの楽しみ方を少しでも体感されたことと思います。そしてこの日のアーカイブ(録画)は、YouTubeのLURU HALLチャンネルで無料で視聴できるようになっています。是非一度ご覧いただければと思います。