縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

テノールとソプラノで贈る楽しい歌世界!

とらふすクラシック・149。
 テノールとソプラノで贈る楽しい歌世界!
       テノール歌手 井澤 章典
私のライフワークは、現在生きているクラシック作曲家の作品を取り上げ、次世代に繋いでいく。クラシックが高尚なだけではなく、娯楽なのだと周知する。日本語の歌の素晴らしさを伝える。

この三点です。四季を感じられたり、恋した時の高揚感、恋人に裏切られた時の殺意にも似た嫌悪感、家族の団欒の温度や色を感じたり、戦争の恐怖や悲しさを伝えたり、自分自身が風になれたり。クラシックの歌曲にはそんなものを微細に伝える能力があります。外国語であってもわかるように説明しながら進めていく演奏会。「わかりやすいうた」と題して続ける企画です。

クラシックは決して難しくはありません。勉強しなくても楽しめます。しかし、知識が入るとより楽しめるようになると確信しています。そのお手伝いができる企画だと思っています。今回は私一人ではなく、一緒に勉強している仲間たちとやります。ソプラノ、メゾソプラノテノール二人、ピアニスト二人の六人でお送りします。イタリアの熱いオペラやドイツのしなやかな歌曲、そして美しい日本の歌など様々な名曲を取り上げます。

今、舞台芸術は歴史上最大の危機に瀕しています。今までも戦争や差別や貧困によって何度も危機は訪れました。しかし今回は民衆の大半がその状態に賛同しているかに見えます。それで本当にいいのでしょうか。 芸術というのは、思った以上に簡単に途絶えてしまいます。現状、その流れが出来つつあるのを危惧しています。そして一番私が危惧しているのは、上演の中止が続いていることではありません。「中止になるかもしれない」と思いながら進める作品の品質の低下。それが一番怖いのです。だから、この公演は必ずやり遂げたいと思っています。

お客様のマスク着用、アルコールでの清掃、開演前、休憩での換気などを徹底して、お迎えする準備をします。必ずこの本番はやります。3月29日(日)14時~皆さんどうぞお越し下さい。

井澤 章典 プロフィール
大阪芸術大学芸術学部演奏学科声楽コース卒業。声楽部門首席。神戸市混声合唱団団員。D&DEPARTMENT LABEL所属。

ギターで紡ぐ愛のカタチ

本日付け、わかやま新報、とらふすクラシック・148
  ギターで紡ぐ愛のカタチ
     ギタリスト 金谷幸三
鳥はなぜ歌い、踊るのか。それらの行動が求愛であることは周知の事実です。そして私たち人間もその自然の摂理に基づいて行動しているにすぎないと言われています。そうであるならもし音楽をまるで歌うように奏でることができた時、音楽家は無意識のうちに愛を語っているのかもしれないのです。ここ数年、私がよく弾いている曲に「想いが届く日」という曲があります。タンゴ歌手・C.ガルデルが歌った美しい曲、誰しも若い時、いや歳を重ねた今でも恋をし、その想いが叶った瞬間の喜びは共有できるはずです。 種存続のプログラムと言われればそれまでですが、そう感じないところに人間の素晴らしさがあると思います。音楽で表現し伝えることは、実はその先にある「優しい気持ち」であるべきではないか。

先日、私自身4枚目となるギターアルバム「ラブソングス」を発表しました。録音は関西屈指の音響を誇る、紀美野町みさとホールで計20曲を収録。 前半をフランスのシャンソン、後半はラテンの情熱的なカンシオンを集めて構成したものです。いずれも仏語・スペイン語で「歌」の意味を持ちますが、クラシック音楽にお いてもメロディーを感情をこめて「歌うように弾く」ことは大切なことです。たとえばメロディーに歌詞を付けてイメージすることもひとつ。言葉は意思疎通に最も適したツールです。そこからイメージを膨らますことで音楽はより伝わりやすい豊かなものにな るのです。今回のCDでは歌詞を踏まえた上で、なおかつシャンソンは仏語の響きをイ メージしました。このCDを聴くことできっとギターの優しい歌心を知って頂けると信 じています。そしてもしかしたら音楽が伝えられることは「愛」だけで十分なのかも知 れないことも。

3月15日(日)15時から、和歌山市湊のピノテラスでレコ発ライブを開催します、是非その愛を生で感じてみてください。ご予約はピノテラス(073-488-6308)まで。

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金谷幸三 プロフィール
ギターをパリ国立高等音楽院およびパリ国際音楽大学に学ぶ。柔らかく流麗な音楽表現を武器にバロックから現代前衛音楽まで幅広いレパートリーをこなす。和歌山市在住

和歌山の宝を奏でる~和歌山バロック

本日付け、わかやま新報、とらふすクラシック・147。
 和歌山の宝を奏でる~和歌山バロック
         オルガニスト 堤 香織
和歌山県立図書館内に南葵音楽文庫が設置されてしばらくたちますが、皆様お立ち寄りになられたことはありますか?その文庫の中核をなすのが、カミングスコレクションとよばれるものです。コレクションに名を冠するW.H.カミングス(1831-1915)は歌手であり、オルガニストであり、指揮者であり、教育者・研究者であったとのこと。今回のコンサートではカミングスが実際に演奏にたずさわった曲、演奏したのではないかな?と想像した曲を演奏予定です。また演奏だけではなく、南葵音楽文庫のお話や、作曲家のお話、楽器のお話も交えながら演奏会を進めてまいりたいと思っております。

オルガン演奏は、ソロだけでなく歌やヴィオラ・ダ・ガンバとのアンサンブルもあります。オルガンというのは、時代・国が違えば音色も違いますので、たくさんあるオルガンの魅力の一部分を覗いていただくことができるかと思います。南葵音楽文庫の蔵書である「ヘンリー・パーセル全集」から、数少ないパーセル(1659-95)のオルガンソロ曲も1曲登場していただきます。

和歌山バロックは、2012年に和歌山バロックの会として誕生し、自主公演や依頼演奏をしてまいりましたが、メンバーの人生の様々なステージの変化により、個人の活動はあっても、アンサンブルとしてはしばらくお休みせざるを得ない状況でした。今回は数年ぶりの自主公演となり非常に私どもも楽しみにしています。現在はソプラノの谷野裕子、ヴィオラ・ダ・ガンバの南部紗奏乎、オルガンの堤香織で活動しています。

「カミングスが愛した音楽」は3月7日(土)18時より、和歌山ルーテル教会和歌山市秋葉町)で開催いたします。あたたかな木のぬくもりあふれる会堂で、歌とヴィオラ・ダ・ガンバ、オルガンの響きをお楽しみください。私ども三人もカミングスに負けじと歌って弾いてしゃべって、音楽や作曲家、そして楽器の魅力を熱く皆様にお伝えします!

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プロフィール
ピアノより音楽の道に入り、大学入学をきっかけにオルガンを学ぶ。現在はチェンバロによる通奏低音を勉強中。和歌山バロック会員。

けんぶんロビーコンサート

本日付け、わかやま新報、とらふすクラシック・146。
 けんぶんロビーコンサート

今年の秋には、開館50周年をむかえる和歌山県民文化会館。大小2つのホールで行われるフルオーケストラのコンサートからピアノソロリサイタルに至るまで、「けんぶん」の愛称で、広く県民に親しまれています。この「けんぶん」で、平成26年から観覧無料のロビーコンサートがが行われているのをご存知でしょうか?

今回で6回目となるロビーコンサートは、「けんぶん」2階の県民ロビーで行われます。今回の出演は、マリンバの波木基子さんとピアノの船本麻衣子さん。マリンバは、木製の音板をもつ鍵盤打楽器で、大きな木琴の一種といっていいでしょう。マレットと呼ばれる撥を使って
演奏されます。リズムに乗った、カラフルなマレットの動きを目で追えば、見て聴いて二倍楽しめる楽器ということが良く分かります。リムスキーコルサコフ「熊蜂の飛行」モーツァルト「トルコマーチ」などクラシック名曲、「あんたがたどこさ」から始まるわらべうたのメドレーの 千秋次郎「わらべ歌春秋」、のりのりの大ヒット曲ピアソラリベルタンゴ」など、多彩なプログラムが予定されています。

嬉しいことに、会場の県民ロビーに隣接して人気のサンドウィッチカフェ「サントピア ステラ」が設けられています。焼きたてパニーニや「ミモザ」「フルーツ」などの新鮮なサンドウィッチに、キャロットスムージーやコーヒーなどを片手にコンサートお楽しみいただけます。(飲食は別料金となります)

このコンサートは、2月23日(日)午後0時30分からはじまります。折しもこの日は、小ホールで、朝9時30分から19時まで「第17回紀州路民謡全国大会」、大ホールでは、13時30分から「第14回和歌山県民族芸能祭」と、「けんぶん」では、観覧無料のイベントが3つ行われています。異なる3つのコンサートを、ランチと共に見て回る、そんな日曜日も楽しいかもしれません。問合せは、和歌山県民文化会館(073-436-1331)まで

尺八が魅せる素晴らしい世界 ~辻本好美尺八コンサートによせて~

本日付け、わかやま新報、とらふすクラシック・145。
 尺八が魅せる素晴らしい世界
 ~辻本好美尺八コンサートによせて~
              尺八奏者 辻本好美
この3月に、第3回目になる「辻本好美尺八コンサート」を和歌山県民文化会館にて開催いたします。「尺八が魅せる素晴らしい世界」をテーマに、奥深い可能性を持つ尺八と、3人の素晴らしいゲストとともに私のすべてを出し切りたいと思います。

尺八の音色はとても多彩で、古典邦楽曲、ポップス、ジャズ、クラシックなど幅広いジャンルの音楽を演奏出来る楽器として世界の注目を集め、海外での尺八への関心は高まるばかりです。今回は尺八、ギター、ウッドベース、パーカッションの編成で、美空ひばりさんの名曲をはじめ、坂本冬美さんの「祝い酒」、ミュージカル映画ラ・ラ・ランド」のテーマ曲~Another Day of Sun~、そして私のオリジナル曲など、尺八の音色の響を存分に生かした、斬新で魅力溢れるステージをお届けします。

17世紀に日本固有の楽器として作られた尺八、当時は虚無僧が精神修行の道具として使用され、その尺八の本山的な役割を担っていたのが和歌山県日高郡由良町にある興国寺です。尺八を演奏をしている私にとって不思議なご縁を感じずにはいられません。

昨年、明治記念館において開催された第3回野口英世アフリカ賞授賞式及び記念晩餐会で、天皇皇后両陛下の御前演奏の栄誉を賜り、またとない貴重な経験をさせていただき、日本の伝統文化の大切さを改めて認識しました。これからの演奏活動を通じて、伝統文化の活性化、ひいては文化の振興と発展にささやかながらお役に立ちたいと願っております。

この「辻本好美尺八コンサート」は、3月6日の金曜日 。昼の部13時30分から、夜の部19時から、和歌山県民文化会館小ホール。チケットは、前売3000円、当日4000円、同会館でも取扱い中。(全席座席指定 )問合せは、辻本(0736‐37‐4760)まで。。

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辻本好美
和歌山県橋本市出身。東京藝術大学音楽学部邦楽科卒業。2016年史上初の女性ソロ尺八奏者としてメジャーデビュー。テレビやラジオに多数出演。海外公演は24ヶ国34都市を超え
る。

6月までのクラシックコンサート・・・

本日付け、わかやま新報、とらふすクラシック・144。
 6月までのクラシックコンサート・・・

和歌山のクラシック・コンサートの情報誌、CLASSIC WAKAYAMAが創刊されたのは、昨年の春。Mah!和歌山県立図書館、緑風舎音楽ホール、LURU HALLの3館から、県民文化会館、和歌山市民会館の2館が増え、5館が掲載された創刊2号は、昨秋のき
のくに音楽祭に合わせて発行されました。この創刊2号に掲載された10月から6月までの15のコンサートも、余すところ5つとなりました。

6月までの掲載コンサートから、3つのコンサートをご紹介しましょう。まず2月11日(祝)14時から、和歌山市民会館で行なわれる「第45回和歌山市交響楽団・市響合唱団演奏会」県下で唯一の市民オーケストラです。今回も市響合唱団と共に、ウィンナ・ワルツの名曲や有名なモーツァルト交響曲第40番」、楽しい「トランペット吹きの休日」など、聞きやすくて、楽しいクラシックを、1000円(学生500円)で。。。

続いて、4月25日(土)、Mah!和歌山県立図書館で行なわれる古楽器アンサンブル!デンハーグピアノ五重奏団+1の「ベートーヴェンの生きた時代の楽器で聴く、珠玉の名曲コンサート」。1835年製というフォルテピアノを東京から運び込み、ベートーヴェン生誕200年に相応しいプログラム。ピアノ・ソナタの「悲愴」、「月光」からのソロ演奏やピアノ協奏曲3番ハ短調、この機会を逃すとなかなか聴けない古楽器の響きです。

3つ目は、ワールドクラスの演奏家の来日コンサート。この号の表紙にもなった、ベルリン・フィル首席奏者ガボール・タルケヴィのトランペット・コンサートが、6月5日(金)、Mah!和歌山県立図書館で行なわれます。Mah!では、世界最高峰といわれるウィーンフィルから、ヴァイオリン、クラリネット、フルートと、三年連続して首席奏者のコンサートを成功させています。

詳しくは、この創刊2号をご覧ください。音楽ホールやカフェなどで無料で配布されています。

日曜日のLURU CLASSIC CAFE

本日付け、わかやま新報、とらふすクラシック・143。
 日曜日のLURU CLASSIC CAFE

お茶を飲みながら、4組の演奏を楽しむLURUCLASSICCAFE。毎月土曜日に開催されてきましたが、2月に限り、初めて日曜日に開催されます。

1組目は、ピアノの天羽博和さん。ドビュッシーピアノ曲全曲演奏を成し遂げたばかりですが、次の自主演奏会では、オールショパンプログラムに取り組むそうです。それに先駆け、ショパンの大曲で最高作品といわれる「ピアノソナタ第3番 ロ短調 作品58」を披露、天羽さん自身27年ぶりの演目、チェレンジ精神いっぱいの響きが楽しみです。

2組目は、悠音。小泉乃林子・友衣子さん姉妹によるピアノデュオグループです。「悠久なる音」の願いを込め、2012年結成、以来演奏活動を重ねています。今回は、シューマンの東洋の絵「6つの即興曲」作品66より、ピアソラオブリビオン リベルタンゴ山本京子編曲)と楽しみな選曲です。

3組目は、ピアノの木谷悦也さん。約10年、ヨーロッパで音楽を重ね、クラシック以外もノンジャンルで、指揮、編曲など多彩、ユニークな活動ぶりが目立ちます。ベートーヴェン「32の変奏曲」、シューベルト即興曲作品90-2」、ショパン「ワルツ9番 作品69-1」とピュアクラシックのナンバーに、オリジナル曲の「さくらさくら」で、春を告げてくれます。

4組目は、南方美穂さん、林那美さん、中尾菜紀さん、星田弥栄さん4人によるクラリネット・アンサンブル。ヒケティックの「タンゴ」アブレウの「ティコ ティコ」ガーシュウィン「3つのプレリュード」と木管アンサンブルならでは、軽快な響きが聞こえてきそうです。

この演奏会は、2月9日(日)13時30分から。チケットは1500円(アフターティーパーティ付)限定50席。県民文化会館、和歌山市民会館でチケット取扱中。WEBは、こちらから:http://musicmart-ticket.com/問合せはLURU HALL(073-457-1022)まで